東京ヤクルト、楽天でプレーし、引退後は東京ヤクルトと福岡ソフトバンクでコーチを務めた飯田哲也氏
■楽天 9-1 福岡ソフトバンク(9日・PayPayドーム)
楽天は9日、PayPayドームで福岡ソフトバンクと対戦し、9-1で快勝した。先発した塩見貴洋投手は7回4安打1失点で今季初勝利をマーク。立ち上がりに失点したが、見事に立て直した。東京ヤクルト、楽天でプレーし、引退後は東京ヤクルトと福岡ソフトバンクでコーチを務めた飯田哲也氏は、今季初スタメンマスクで好リードした足立に着目。小深田や同じく今季初先発の小郷などが活躍したところに「そういうチームは強いし、これからも強い」と分析。選手層に見る楽天の強さに迫った。
塩見の立ち上がりは不安定だった。ストレートが走らず、2本の安打と1四球で失点した。「2回以降からカーブが入り出しましたし、低めのストレートの割合が減りましたね。捕手の足立くんの判断が早かったのではないでしょうか」と30歳捕手のリードを評価した。柳田に対しても緩いカーブを駆使し、この試合、ノーヒットに封じた。「柳田選手は前に出されていましたね」と徹底分析の賜物だった。
飯田氏は足立のリードだけでなく、7回の第4打席の姿勢にも注目した。銀次が右二塁打で出塁し、無死二塁から打席に立つと、1球目、2球目と右方向へファウル。進塁打を打とうという意識の表れだった。9-1と8点のリードがあったにも関わらず、だ。結果は三振に倒れたが、「アウトになってでも絶対に進めるんだという気持ちが出ていました。今の楽天はチームとしてできているように見えます」。強さの片鱗がうかがえた。
足立だけでなく、1番の小深田が1安打2四球3出塁と、全てホームに返ってきた。足立同様に初スタメンだった小郷も5打数2安打2得点。盗塁も決め、得点につなげた。レギュラーではない選手たちが、持ち場を与えられ、躍動した。「こういう形で結果を出してくれると、チームはこれからも強くなります。主力を休ませながら使うことができますし、有利に進められます」とこれから迎える夏場など、よりチーム力を引き上げることが可能になる。楽天を支える若者たちがたくましく見えた試合だった。
(楢崎豊 / Yutaka Narasaki)
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