開幕前夜に振り返りたい…選手同士のプロスピ対戦、結果はどうだった?

パ・リーグ インサイト 吉田貴

2020.6.18(木) 19:00

「プロ野球スピリッツ」埼玉西武対北海道日本ハムの一戦 (C)パーソル パ・リーグTV
「プロ野球スピリッツ」埼玉西武対北海道日本ハムの一戦 (C)パーソル パ・リーグTV

 5月30日と31日に、パ・リーグ6球団の代表選手によってリモートで行われた「パーソル チャリティマッチ パ」。KONAMI社提供の野球ゲーム「プロ野球スピリッツ」のリアルな演出のなかで、白熱した試合が繰り広げられた。そして来たる6月19日、多くのプロ野球ファンが待ち望んだ開幕戦がやってくる。今回は「パーソル チャリティマッチ パ」において開幕と同カードとなった5月30日の試合を振り返りつつ、開幕に向けて心の準備をしていきたい。

埼玉西武対北海道日本ハム

2019年シーズン対戦成績
埼玉西武 14勝11敗
北海道日本ハム 11勝14敗

 まずは昨季のリーグ王者・埼玉西武と北海道日本ハムの一戦から。「パーソル チャリティマッチ パ」では埼玉西武が今井達也投手、北海道日本ハムが近藤健介選手の両者が激突。初回に1点を先制した埼玉西武が熾烈な投手戦を制し、1対0で「スミ1勝利」を決めている。

 圧巻の投球を見せたのは今井達也投手だ。同日に行われた現実世界の紅白戦では最速153キロの速球で3回無失点と、前例のない調整期間の中で大きな成長を見せていた。「プロ野球スピリッツ」の世界でも、平井克典投手、増田達至投手などで現実さながらの継投を見せ、6イニングで11奪三振。現実とゲームで合計9イニングを抑える「完封劇」を披露した。開幕投手はニール投手が務めるものの、開幕カードのいずれかで近藤選手対戦する可能性は高い。メットライフドームのマウンドでも、相手打線を圧倒する投球を見せるか、注目だ。

「プロ野球スピリッツ」初プレイということもあり、惜しくも敗れてしまった近藤選手だったが、試合の中で昨季の最高出塁率のタイトルホルダーらしい成長を見せた。特に「選球眼」については今井投手も絶賛。それもそのはず、昨季の四球数は驚異の103個だ。バッティングでも、試合が進むにつれて失投を逃さず安打にする場面が増えていった。今度はゲームコントローラーをバットに持ち替え、北海道日本ハムの安打製造機として今井投手と対峙する。

オリックス対楽天

2019年シーズン対戦成績
オリックス 12勝12敗1分
楽天 12勝12敗1分

 昨季は、五分の対戦成績を残していたオリックスと楽天。「パーソル チャリティマッチ パ」ではオリックス・山岡泰輔投手、楽天・涌井秀章投手が対戦した。試合は両チームともに得点圏に走者を進めながらも決定打が生まれず、最終回に突入。6回裏に島内宏明選手がサヨナラ打を放った楽天が1対0で勝利を飾った。

 山岡投手は、昨季ともにチームの2本柱として投手陣を牽引した山本由伸投手を先発させ、高速カットボールで圧倒。すると、今度は2番手で変則右腕の比嘉幹貴投手をマウンドへ送り、得意のスローカーブで幻惑。しかし、最終回には守護神・ディクソン投手の代名詞・ナックルカーブ……ではなくサークルチェンジの失投を痛打されてしまった。ゲームの世界では悔しい結果に終わってしまったが、2年連続となる開幕投手を務める公式戦ではそうはいかない。代名詞である縦スライダーとカットボールでリベンジを狙う。

 一方の涌井投手は岸孝之投手を先発させ、2番手には今季から日本球界に復帰する牧田和久投手を起用。両投手とはともに埼玉西武時代のチームメイトだ。さらに、6番手として自身(涌井投手)をマウンドへ。対戦後に「経験の差」と語ったように、左打者のT-岡田選手に対し、外角のスローカーブを見せた後に内角のシュートで詰まらせる見事な投球術を披露した。現実世界でも6月10日の練習試合で針の穴を通すような直球を投げ込み、4回無失点の好投を見せている。

福岡ソフトバンク対千葉ロッテ

2019年シーズン対戦成績
福岡ソフトバンク 8勝17敗 
千葉ロッテ 17勝8敗

 昨季日本一に輝いた福岡ソフトバンクと、昨季17勝と圧倒的な相性の良さを示した千葉ロッテの一戦。「パーソル チャリティマッチ パ」では千葉ロッテ・種市篤暉投手、福岡ソフトバンク・嘉弥真新也投手の対戦となった。試合は3回、5回とテンポよく得点した福岡ソフトバンクが2対0で勝利した。勢いそのままに、福岡ソフトバンクは「パーソル チャリティマッチ パ」の優勝を決めている。

 嘉弥真投手は、この日に向けて事前に練習するなど万全の体勢で試合に望んだ。その成果も存分に発揮し、ミートと走塁、守備では他の選手そ一線を画すレベルの高さを見せた。そして大きな山場となった5回裏2死1,2塁の場面では、左打者の菅野剛士選手に対し「ピッチャー、オレ」と言わんばかりに自らをマウンドへ。伝家の宝刀であるスライダーと、反対方向の変化を持つシュートを組み合わせて、内野ゴロに討ち取った。開幕戦でも手に汗握る場面で、「ピッチャー、嘉弥真」がコールされる可能性は高い。信頼感抜群の火消し技に期待だ。

 一方の種市投手は自身を先発のマウンドへ。今季から新背番号「16」が、一足先に「プロ野球スピリッツ」の世界でデビューした。2本の適時打は浴びたものの、5回2失点の好投を見せている。6月13日に行われた埼玉西武との練習試合では、5イニングを5奪三振無失点と開幕に向けて順調な仕上がりを示している。公式戦で福岡ソフトバンクと対戦した際には、前回の借りを返したいところだ。

 今回選手たちがプレイした「プロ野球スピリッツ」を制作したKONAMIではeBASEBALLとして「実況パワフルプロ野球」も制作している。こちらは、プロリーグも運営されており、残念ながら中止となってしまった「日本生命日本生命 セ・パ交流戦」に代わり「日本生命“バーチャル”セ・パ交流戦 powered by eBASEBALL」が開催されている。舞台は違えど、どちらもプライドを持った「プロ」の戦いであることは間違いない。

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