本拠地アスレチックス戦では12K、スプリットは「彼を真に偉大たらしめるもの」
エンゼルスの大谷翔平選手は15日(日本時間16日)の敵地ロイヤルズ戦で今季3度目の先発マウンドに上がることが決まった。9日(日本時間10日)には、日本人メジャーリーガーとして最速&最年少でア・リーグ週間MVPに選出されるなど、投打で圧巻の活躍を続ける二刀流。米メディアは、前回登板の8日(日本時間9日)本拠地アスレチックス戦で三振の山を築いた宝刀スプリットに注目し、「ショウヘイ・オオタニを真に偉大たらしめるもの」と称賛している。
本拠地アスレチックス戦では満員のエンゼルスタジアムで待望の初登板を果たした大谷選手は、7回途中まで打者19人を連続で凡退に抑える圧巻のピッチングを披露。7回1安打無失点で2連勝を飾った。この試合では12三振を奪ったが、米スポーツネットワーク「ESPN」の電子版コラムメディア「FiveThirtyEight」では改めて投球内容を振り返り、「ショウヘイ・オオタニのスプリッターこそが彼を真に偉大たらしめるもの」と特集している。
記事では、今季規定投球回に達した投手の中で、大谷選手の空振り率がリーグトップであることを紹介。また、ファストボールの平均球速は3位で、4位の奪三振率、17番目に低い与四球率をマークしているという。その上で、日曜日のマウンドで冴え渡った大谷選手の“切り札"に注目。「特にオオタニのスプリットは今シーズン、ここまでのメジャーで最もえげつないボールかもしれない」と称賛している。
プライス投手のカットボール、リンスカム投手のスライダーに続く大谷選手のスプリット
そして、データで大谷選手のスプリットを分析。今季2試合でスプリットを58球投じ、打者13人から三振を奪っているが、これはリーグで3番目の数字だと指摘。アストロズのランス・マッカラーズ投手がカーブで、ダイヤモンドバックスのパトリック・コービン投手がスライダーで、大谷選手のスプリット以上の奪三振を記録しているという。
また、記事ではMLB公式サイトのデータを引用。大谷選手のスプリットに対して打者は合計37回のスイングをしており、空振りは26回。この空振り率「70.3%」はメジャー全先発投手のあらゆる球種の中で、最高の数値だというのだ。
さらに、野球専門の米データサイト「ファングラフス」のデータから、2002年シーズン以降のメジャー全投手が年間50球以上投じた球種の中で、大谷選手のスプリットはなんと3位の効率性を示しているという事実も伝えている。1位は今季のデビッド・プライス投手(レッドソックス)のカットボールで、2位は2008年のジャイアンツ時代のティム・リンスカム投手(レンジャーズ)のスライダー。「オオタニ」の名前が偉大なサイ・ヤング賞投手とともに並んでいる。
魔球スプリットは、二刀流のスーパースターの“切り札"としてアメリカでも脚光を浴びている。
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