昨年まで1本塁打の21歳が貴重な一発「あの1点が大きかったと思います」
またアーチをかけた。はや3本目だ。北海道日本ハムの清水優心捕手が値千金の一発を放った。10日、ヤフオクドームで行われた福岡ソフトバンク戦。1点リードの6回に、21歳の若き捕手がリードを拡大する価値あるソロ本塁打を放った。
この回1死で打席に立った清水選手。カウント2ボール2ストライクからの5球目だった。福岡ソフトバンク先発の東浜巨投手が投じた外角の真っ直ぐを捉えた。敵地に快音を響かせた打球は逆方向の右翼へと高々と舞い上がると、ホームランテラス席へと飛び込んでいった。リードを2点に広げるソロ。「1-0で上沢さんが頑張っていたので、なんとかもう1点と思っていた。ホームランになってよかったです。守備をやっていても、あの1点が大きかったと思います」と語った。
2014年のドラフト2位で九州国際大付高から北海道日本ハムに入団した清水選手。高校通算35本塁打とパンチ力は高く評価されていたものの、昨季までの通算本塁打は1本だけだった。4月7日の千葉ロッテ戦で今季初本塁打を含む自身初の1試合2本塁打を放ち、この日の一発で早くも3本目。4本塁打のオリックス・マレーロ選手に次ぎ、西武・山川選手、オリックス・吉田正選手、チームメートのレアード選手、中田選手と並み居る強打者に混じって2位タイにつけている。
とはいえ、本人にはホームランへの意識はない。「たまたまだと思っています。意識はしていません。たまたま出たとしか思っていないので」と言い、自身の本塁打以上に喜んだのが、先発して7回1失点と好投した上沢直之投手の今季初勝利。「しっかりと上沢さんに勝ちをつけられたことが1番嬉しい」と表情を綻ばせた。
ヒーローインタビューで右腕から「いいリードをしてくれたおかげでこういう展開になった」と感謝された清水だが、「ナオさんがしっかり投げてくれた。あんなにビタビタ投げられるピッチャーはそうはいない。投げてくれた結果なので、ナオさんに感謝したい」とした。大野奨太選手がFAで中日へと移籍して迎えた今季。新たな扇の要の候補として、清水選手が存在感を際立たせている。
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