“猫だまし投法”で注目
昨年10月に行われたドラフト会議で千葉ロッテから3位指名を受け、プロ入りを果たした山本大貴投手。最大の特徴は、右手を折りたたみながら投げる独特なフォーム。三菱自動車岡崎時代に「先輩とキャッチボールをする中で、暴投したらどうしようという考えがあった。コントロールしようとした結果、あのフォームになった」という理由で現在の“猫だまし投法”にたどり着いたという。
動画の再生回数は12球団ナンバー1を誇り、千葉ロッテファンのみならず、野球ファンから注目を集めているマリーンズユーチューブチャンネルで、広報の梶原紀章氏が撮影した『広報カメラ』の「猫だまし投法!ルーキー山本大貴投手のピッチングにカメラが接近」は石垣島春季キャンプで配信した動画のナンバー1に輝いた。千葉ロッテファンも、その独特なフォームを注目した。
春季キャンプで悔しい経験も、気持ちを切り換える
独特なフォームで注目されたが、プロでは結果のみが求められる。開幕一軍を目指しアピールしたいところだったが、2月12日に行われた紅白戦では1イニングを投げて7四死球4失点と苦しい投球になった。
「審判も(アマチュアと)絶対に変わる。ただ打者と勝負する以前に周りが気になって、集中しきれていなかった。自分のやるべきことをやってダメだったときに考えようと思っているのに、それができなかったのが一番の原因だと思います」と当時を振り返る。
さらに2月19日に発表された那覇行きのメンバーの中に、同期入団の安田尚憲選手、藤岡裕大選手ら支配下登録のルーキー5人が入った中、山本投手だけ名前がなかった。「同期入団なので、悔しい」と話したが、「だからといってどうこうするわけでもない。自分のやるべきことをやって結果を残していければいい。それがダメだったら、また考え直せばいい」とすぐに気持ちを切り換えた。
紅白戦で苦しんだ山本投手だが、シーズンが開幕してからは二軍戦に2試合に登板して、防御率0.00を記録する(※4月7日現在)。3月30日の埼玉西武との二軍戦では、四球を1つ与えたが、1回を無安打無失点に抑えた。
「自分自身、器用な方ではないので、やりくりできるようなタイプではない。出来る限り早く合わせたいですけど、経験を積んでいく事が大事だと思います」。
プロの水に慣れ、自分のペースをつかんだときに“猫だまし投法”の本領を発揮するときなのかもしれない。
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