6日の楽天戦は頼みの千賀投手が4回途中6失点でKOされて完敗

王者がおかしい。昨季の日本一、2年連続の頂点を目指している福岡ソフトバンクが開幕から苦しんでいる。6日、敵地の楽天生命パークで行われた楽天戦。試合開始前から降り始めた冷たい雨と厳しい寒さの中で試合は行われ、開幕投手を務めた先発の千賀滉大投手が4回途中6失点でKO。序盤で背負ったビハインドを跳ね返すことが出来ずに敗れ、先の西武戦から3連敗となり、2勝4敗の借金2となってしまった。

充実の戦力を誇る福岡ソフトバンクではあるが、昨季日本一に輝いた原動力は投手力にあった。鉄壁の守護神サファテ投手を筆頭とし、岩嵜翔投手やモイネロ投手がいるリリーフ陣は強力で最大の強みであるが、先発投手陣もまた他球団と比較すると、充実の選手層を誇っていた。

16勝で西武・菊池雄星投手と最多勝のタイトルを分け合った東浜巨投手、13勝で最高勝率に輝いた千賀投手、そして13勝のバンデンハーク投手と2桁勝利は3人。昨季は6勝に終わったものの、一昨季まで2年連続2桁勝利をあげていた武田翔太投手、8勝をマークした石川柊太投手、7勝の中田賢一投手など、先発投手は豊富にいた。

それが、だ。今季開幕して6試合が終わった段階で、先発投手で勝利投手となったのはゼロ。それどころか、開幕戦で千賀投手が7回1安打無失点と好投してから、武田投手が5回7安打4失点、中田投手が5回1/3で6安打2失点、東浜投手が7回6安打6失点と4試合連続で先発が6回自責点3のクオリティースタート(QS)を果たせず。

4日の埼玉西武戦で先発したバンデンハーク投手は6回2失点とQSは果たしたものの、負け投手。そして、6日の千賀投手は今季チーム最短の4回途中ノックアウト。先発投手陣が、本来の状態ではないのは明らか。スタートダッシュに失敗し、首脳陣には早い段階で何らかの対策を施す必要も出てくるかもしれない。

4月3日に九鬼選手が右手親指を手術、残る支配下の捕手は4人だけ

4月3日に2年目の九鬼隆平捕手が右手親指を手術。キャンプ中に高谷裕亮捕手、栗原陵矢捕手が相次いで負傷し、捕手難に見舞われていた中で、またしても捕手に離脱者が出てしまった。これで残る支配下の捕手は甲斐拓也選手、育成から支配下に昇格した堀内汰門選手、谷川原健太選手、張本優大選手の4人だけに。育成の樋越優一選手を入れても5人しかいない。

1軍は甲斐選手と堀内選手の2人体制でここまで戦ってきている。ここまでの6試合は甲斐選手がフルイニングでマスクを被っているが、甲斐選手も昨季は高谷選手と併用されてきた身で、ここまで常に試合に出ることは初めての経験だ。特に捕手で常時試合に出るのは肉体的、精神的、そして頭脳的にもかかる負担が大きいだけに、甲斐選手のコンディション面も心配である。

福岡ソフトバンクは3軍制を敷くため、2軍と3軍の試合を回すためには捕手5人では明らかに人手不足である。そのため、現在、3軍戦では本来内野手の曽根海成選手がスタメンマスクを被り、ブルペン捕手が控え捕手としてベンチに入る事態となっている。これ以上、捕手に故障者が出たら、それがもし……、となれば、チームの根幹を揺るがす事態となってしまう。

開幕して1週間が経過した。オープン戦も5勝10敗1分と大きく負け越していた福岡ソフトバンクのチーム状況は、決して良くない。打線も4月1日のオリックス戦で16安打12得点を奪ったが、2桁安打はこの1度きり。6日の楽天戦もわずか5安打に終わった。内川選手、デスパイネ選手の4、5番は打率1割台で本塁打ゼロ、打率.300を打つ柳田選手も本塁打は無い。

投打ともに調子が上がってこない王者。ディフェンスの要となる捕手にも不安を抱えたまま、しばらく戦っていかなければならない。開幕から苦境に立たされている福岡ソフトバンク。抜け出すキッカケがつかめないままだと、大きく出足でつまずく恐れもある。

記事提供：Full-Count