大竹耕太郎~育成出身の技巧派左腕。クレバーな投球術に酔いしれる~(福岡ソフトバンクホークス)【インサイト的選手名鑑】

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2020.3.1(日) 19:33

福岡ソフトバンクホークス・大竹耕太郎投手(C)パーソル パ・リーグTV
福岡ソフトバンクホークス・大竹耕太郎投手(C)パーソル パ・リーグTV

大竹耕太郎(おおたけ・こうたろう)/投手

#10/1995年6月29日生まれ
184cm・79kg/左投左打


 熊本・済々黌高校から早稲田大学を経て、2017年育成ドラフト4位で福岡ソフトバンクに入団。高校時代は、エースとして2度の甲子園経験がある。大学進学後は、1年秋から4勝を挙げ、存在感を見せると、2年次にはエースに定着。春には防御率0.89で4勝かつ3完投の活躍を見せ、六大学リーグで春秋連覇。さらに2015年の全日本大学野球選手権の優勝にも貢献し、充実の1年となった。一時スランプに陥るも、4年秋に3季ぶりの勝利から復活のきっかけをつかみ、プロの世界へと羽ばたいた。

 彼の投球スタイルには、「技巧派」という言葉がピッタリ。出どころの見づらいフォームは打者にとって嫌らしく、制球力も抜群。ストレートの球速は140km/h前後も、スライダーやカーブ、チェンジアップなどを自由自在に操り、ゴロやフライで打ち取る巧みな投球術が持ち味だ。育成選手として入団した2018年だったが、二軍で好投を続け、8勝負けなし、防御率1.87の好成績を残し、ウエスタン・リーグ最多勝を受賞。シーズン中の7月下旬に支配下登録を勝ち取ると、背番号は「133」から「10」に変更された。8月にはプロ初登板・初先発を8回2失点の白星デビューで飾った。その後も先発ローテーションの一角を担うと、3勝2敗、防御率3.88の数字を残した。ポストシーズンでは、中継ぎとしてCS、日本シリーズでも経験を積んだ。

 さらなる飛躍を期待された2019年は、オープン戦からアピールを続け、開幕ローテーション入りを果たす。シーズンに入ってからも快投の連続で、5月2日に初勝利。5月中旬まで防御率1点台をキープし、シーズン序盤の鷹先発陣を支えた。それでも、打線の援護は少なく、不運にもなかなか白星に恵まれない日々が続く。すると、徐々に調子を崩し、8月2日に二軍に降格し、以降一軍での登板はなくシーズンを終えた。最終的には17試合に先発し、5勝4敗、防御率3.82の成績だったが、大事な夏場にチームに貢献できず、悔しさが残る1年となった。

 2020年も二軍暮らしが続いたが、7月末に完投勝利を挙げると、8月13日のオリックス戦で一軍でのシーズン初登板をつかむ。この試合では6回途中1失点で勝利投手となるも、翌週19日の登板後に再び二軍へ。二軍では16試合で6勝3敗、防御率2.53と好成績で3冠を達成したが、結局一軍では3先発にとどまり、2勝こそ挙げたがいずれも6回を投げ切れず、先発として最低限の仕事しかできなかった。2021年は投球を磨き、再びローテーション入りを目指す。

【2020年一軍成績】
3試合2勝0敗 15.2回 8奪三振、防御率2.3 WHIP1.02


(2021/2/2追記)

文・岩井淳

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2019年シーズンは開幕からローテーション入りを果たすも、シーズン初勝利が遠かった大竹投手。5月2日の楽天戦、5試合目の登板でようやくつかんだ勝利に、お立ち台で涙を見せた。

☆大竹耕太郎投手の動画はこちらから!

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