鷹の元米ドラ1スチュワートが学んだ「食」の重要性 日本で胃袋支えたカレーライス

Full-Count 福谷佑介

2020.2.21(金) 07:20

紅白戦で好投した福岡ソフトバンクのカーター・スチュワートJr.※写真提供:Full-Count(写真:福谷佑介)
紅白戦で好投した福岡ソフトバンクのカーター・スチュワートJr.※写真提供:Full-Count(写真:福谷佑介)

ベストスコアは64、ゴルフもプロ級の腕前のスチュワート

 昨季途中に鳴り物入りで福岡ソフトバンクに加入したカーター・スチュワートJr.投手。2018年の米ドラフトでブレーブスに1巡目指名されながら、入団せずに大学へ進学。2019年も上位候補と目されながら、ドラフトを待たずに異例の福岡ソフトバンク入団を決めた。

 そのスチュワートが20日、宮崎キャンプで行われたA組の紅白戦に登板。初めて1軍の打者相手に投げる機会を得た。結果は2回を投げて1安打1四球無失点。1イニング目のアウト全てを三振で奪い、最速で153キロをマークした。そのボールの威力は目を見張るものがあった。

「今日を楽しみにしていたよ。球数が多かったのは気になったけど、それは次に向けて修正したい。初めは興奮していてスピードが出た。2イニング目は打たせて取るように心がけたよ」と、この日の登板を振り返ったスチュワート。まだ課題は多いものの、米ドラ1の名に違わぬポテンシャルを見せた。

 ただ、スチュワートの来日1年目は苦労が尽きなかった。6月に来日し、約6か月の日本生活で学んだことは「常に健康でいること、しっかりと食事を食べることですね。しっかり食べて、しっかり練習して、投げるということが大事」だという。

 来日した当初は、まだ19歳の青年。まず直面したのが慣れない日本食だった。「日本食も合わずに体重も落ちて痩せてしまった。なかなか食べることができなかった」。初めて食べる日本食が口に合わず、食事の面で苦労した。体重が落ちてパフォーマンスも上がらず。昨季は徐々に球速が落ちていった。

最初に好物となったのがカレーライス「最初は美味しくないだろうと…」

 それでも、日本の食事に慣れるために少しずつチャレンジを続けてきた。「頑張って食べられるようにしている。去年まではなかなか食べられなかったんだけど、それでもチャレンジして少しずつ食べられるようになっているよ」とスチュワートはいう。

 日本食に苦しむ間、胃袋を支えてくれたのはカレーライス。「最初は絶対に美味しくないだろうなと思ったんだけどね。ご飯にかけてちょっと食べてみたら、美味しかったんだよ」と、今ではお気に入りの日本の食事になっている。一方でエビやカニを除くシーフードは全く食べられない。「生も、火が通っていてもダメなんだ」と苦笑いだ。

 もちろん野球で学んだこともたくさんある。その中でも、日本特有の“粘り”には最初は面食らったよう。「ファウルで粘ってくるんでなかなかアウトになってくれないというのは学んだこと。ストライクを投げ続けないとダメなんだとわかったね」。ちょっとずつ日本の野球を学び、そして適応しようとしている。

 野球以外にもプロ級の腕前を誇るものがある。それがゴルフ。ベストスコアはプロ顔負けの「64」。宮崎キャンプ中のオフにラウンドした際も70台でプレーした。「日本の生活は楽しいよ。福岡に帰れば、もっと楽しみが待っていると思う。福岡は全部がコンパクトに一緒になっていてコンパクトなところがとても気に入っているよ」と語るスチュワート。シーズンで1軍のマウンドに立つ日が楽しみだ。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

記事提供:Full-Count

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