今日ヤフオクドームで行われたのは、福岡ソフトバンクとオリックスの開幕カード最終戦。3月30日の開幕戦では福岡ソフトバンクが強さを見せ付けたが、昨日の2戦目ではオリックスのルーキー・田嶋投手が初先発初勝利を飾り、カードの戦績を五分とした。
開幕カードの勝ち越しを懸けた今日の一戦。福岡ソフトバンクの先発は中田投手だ。オフシーズンからのアピールが実り、開幕ローテーションの座を手繰り寄せた右腕。故障や不調に見舞われ、何かと不安がつきまとう先発陣の中で存在感を見せたい。
対するオリックスの先発は、オープン戦で4試合1勝1敗、防御率1.64と、万全の調整具合を披露した山岡投手。社会人出身という点でも後輩にあたる田嶋投手に続いて、チームを勢いに乗せる投球が期待される。
初回、両先発は3者凡退と順調な立ち上がり。以降は得点圏に走者を背負いながらもともに踏ん張り、好守にも助けられてことごとく決定機を凌ぐ。両軍の打線は相手先発を崩せず、試合は投手戦の様相を呈した。
試合を動かしたのはオリックス。両チーム無得点のまま迎えた6回表、先頭の小谷野選手が死球を受け、無死1塁の場面。昨日の試合でグランドスラムを放っている6番・マレーロ選手のバットが、中田投手の初球、落ちる変化球を完璧に捉えた。打った瞬間それと分かる打球は、長い滞空時間を経て左翼席中段に飛び込む先制の2ランアーチに。
頼れる主砲の2試合連続弾で、オリックスが先発の山岡投手に貴重な援護点をプレゼントし、試合中盤で2点のリードを握った。
しかしその裏、福岡ソフトバンクがすぐさま反撃する。先頭の本多選手が安打を放ち、1死1塁から内川選手にも今季初安打が出た。続くデスパイネ選手が四球を選んで1死満塁となると、6番・中村晃選手が、ライナーで右翼席中段まで持って行く逆転の満塁本塁打。これでスコアは4対2となり、福岡ソフトバンクが逆転に成功した。
8回裏にも、先頭のデスパイネ選手が安打で出塁し犠打で進塁すると、1死2塁から7番・松田選手が適時打を放って追加点。8番・上林選手が内野安打で続き、9番・甲斐選手もダメ押しの2点適時二塁打を放つ。さらに1死満塁から3連続の適時打でなんとこの回8得点。試合終盤で打線が大爆発した福岡ソフトバンクが、12対2とオリックスを突き放した。
10点リードで迎えた9回表は田中投手が登板し、2死から3番・吉田正選手に一発を浴びるものの、後続を断って試合を締めた。
福岡ソフトバンクとオリックスの開幕3戦目は、12対3で福岡ソフトバンクが勝利し、2勝1敗で開幕カードの勝ち越しを決めた。先発の中田投手は6回途中2失点。マレーロ選手に先制弾を浴び、制球を乱してはピンチを招く不安定な投球だったが、粘って持ち味を発揮した。
中田投手の後を受けた石川投手も、回の途中から見事な救援を披露。打線は先発全員安打を記録し、内川選手、デスパイネ選手に今季初安打、西田選手に移籍後初安打が飛び出した。1死も取れず降板したモイネロ投手の状態は気に掛かるが、今後に期待の持てる勝利だったと言うことができるだろう。
敗れたオリックスは、先発ローテーションの柱の1人となることが期待され、試合中盤まで快投を続けていた山岡投手が、中村晃選手への1球に泣いた。中継ぎ陣も打ち込まれて2桁の失点を喫し、結局打線が挙げた得点もマレーロ選手と吉田正選手の一発による3点のみ。投打の復調が待たれる。
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