日本プロ野球界「初」の野球専用人工芝で8年ぶりの王座奪還へ!

パ・リーグ インサイト

2016.3.2(水) 00:01

(C)SEIBU Lions ※球団提供
(C)SEIBU Lions ※球団提供

8年ぶりの王座奪還を目指す埼玉西武ライオンズの本拠地・西武プリンスドームでは、優勝した2008年以来8年ぶりに、全面的に人工芝が張り替えられた。昨年12月中旬から開始した工事は約2カ月を要し、3月1日(火)、西武プリンスドームでの今季初練習とともに、選手たちにもお披露目となった。

各選手、グラウンドへの第一歩を踏み出すたびに「フカフカ!」、「柔らかい」など、思い思いの感想を口にしながらの球場入り。実際の練習に入る前にも、奈良原内野守備・走塁コーチから「芝が変わっているので状況を十分確認するように」と指示があった。

2008年に張り替えた際の人工芝は、プロ野球だけでなく、西武プリンスドームで行われるさまざまなイベントで使用されてきた。しかし8シーズンが経過し、芝が踏み固められたことにより打球が速くなってきたこと、試合前のランニングでもその硬さが選手の膝や足首への負担になってきているということで、今回の張り替えとなった。

今回採用した、ミズノ社製の「MS Craft Baseball Turf」(エムエスクラフト ベースボールターフ)の一番の特徴は、従来の芝のように最初から真っ直ぐピンと立っている状態ではなく、すでにカールしているという点。見た目も天然芝に近く、捲縮(けんしゅく)という加工を施しているのだが、その捲縮を行うことで形状の経年変化が少なく、復元力にも優れ、導入時の状態を長期間維持できるなど、さまざまな特徴を出すことができた。

練習終了後、キャプテン・栗山選手は「以前のものと比べると、バウンドは弾まなくなっているが気にするほどでもない。チャージはかけやすいので、ハードにプレーできる」と歓迎している。

今季から選手会長を務める扇の要・炭谷選手は、「非常にプレーしやすかった。足への負担が少なく、優しいと感じた」と話すと、「芝目がないため、打球が切れたりすることもない」とこちらも芝の張り替えによるメリットを強調。好意的にとらえている。

また昨年、二塁手として多くの守備機会での貢献も目立った浅村選手は、「自分の感覚では思ったより弾む」としつつも、「不規則な打球の変化もないので守りやすかった。守備範囲も広くなってくると思うので、ピッチャーを助けることができるのではないか」と攻守両面でチームへの貢献を誓った。

昨季、シーズン最多安打の日本記録を樹立した秋山選手は、ゴールデン・グラブ賞にも輝いた守備の名手。新ルールが適用となる本塁でのクロスプレーに触れ、「一歩でも早くボールに追いつかなければならない中で、芝が変わってチャージしやすくなったことはプラス」と分析していた。

埼玉西武の2016シーズン開幕は3月25日(金)。日本プロ野球界「初」の野球専用人工芝で、チームスローガン「BEAST!」(野獣)のごとく、開幕から激しく、力強いプレーを見せてくれるであろう選手たち。昨季までの印象とは大きく様変わりした西武プリンスドームでは、開幕カード(3月25日~27日 vs.オリックス)から、試合後のグラウンドを開放して行う野球体験イベント「AFTER THE GAME」がさっそく行われる。この機会に実際の新しい芝を体感してみてはどうだろうか。

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