盤石かつ雨後の筍のように期待の若手が現れる「投」

福岡ソフトバンクの2018年シーズンは3月30日、本拠地・ヤフオクドームで開幕する。昨年は、多くの離脱者を出しながらも後半戦から圧倒的な強さを見せ付けた。当然のように連覇が期待される今シーズン、福岡ソフトバンクのキーマンたちを紹介する。

まずはリーグトップとうたわれる福岡ソフトバンクの先発陣。昨季最高勝率のタイトルを手にした千賀投手、最多勝に輝いた東浜投手の二枚看板を筆頭に、来日初2桁勝利を記録したバンデンハーク投手。昨季故障に泣いた武田投手、和田投手が万全の状態でシーズンを戦えれば、リーグ連覇に大きく近づくだろう。

中継ぎ陣では昨季、最多セーブの日本記録を更新したサファテ投手、最優秀中継ぎに輝いた岩嵜投手の2人を軸に、4年連続50試合登板の森投手、勝ちパターンからロングリリーフまでこなすモイネロ投手、昨季フル回転した嘉弥真投手など、さすがの陣容が揃っている。

さらに、ここに加治屋投手、田中投手、古谷投手など若い選手が頭角を現してきた。今季も投手陣はリーグ屈指の層の厚さであることは言うまでもない。

ハイレベルなレギュラー争いを繰り広げる「攻」

また、野手陣も盤石の布陣が揃っている。昨季本塁打・打点の二冠に輝いたデスパイネ選手をはじめ、パ・リーグで唯一出塁率が4割を超えた柳田選手、勝負強い内川選手のクリーンナップの得点力は他球団にとって今季も脅威になる。

そして、注目は二塁手、右翼手のレギュラー争いである。二塁手では昨季わずか62試合の出場にとどまった本多選手がオープン戦で猛アピール。オープン戦全16試合出場、打率.368、本塁打3本と打撃力が光った。高田選手や明石選手、川島選手、楽天から移籍してきた西田選手も二塁の定位置を狙う。はたして、誰が正二塁手の座をつかむのか。

また、右翼の定位置争いも激しさを増している。筆頭候補は昨季134試合に出場し一気に主力として台頭した上林選手だ。シーズン終盤に調子を崩しただけに今季は年間を通じて定位置を確保したい。

他にも昨季自身初となる100試合出場を果たした福田選手や、オープン戦で打率.316と打撃好調な城所選手も候補に挙がってくるだろう。

最大の敵・ケガを乗り越えて「もう1頂！」

昨季パ・リーグを制覇した福岡ソフトバンクだが、オープン戦は5勝10敗1分で10位。3月6日の埼玉西武戦から3月18日の東京ヤクルト戦までは9試合勝ち星に見離された。福岡ソフトバンクのオープン戦での負け越しは2006年以来12年ぶりの記録である。

故障者も続出している。捕手では高谷選手、栗原選手の長期離脱が確実。キャンプ中に和田投手が左肩違和感を訴えると、明石選手は腰痛で再調整を余儀なくされた。

開幕投手の千賀投手は3月23日の広島戦で3回緊急降板。今宮選手がウイルス性胃腸炎により3試合、中村晃選手も左臀部の筋損傷で2試合オープン戦を欠場した。心配がつきぬまま開幕を迎えることになり、シーズンへの影響が懸念される。

昨季はスタートダッシュに失敗し、一時は4位に沈みながらも、チームの底力を発揮して日本一を奪還した福岡ソフトバンク。今季も優勝候補の筆頭であることは変わらない。日本一を「もう1頂！」。頂点を再び目指す若鷹軍団の戦いが、間もなく幕を開ける。