今季は481日ぶりの1軍マウンド、最速150キロをマークし復活をアピール
楽天の由規投手が20日、仙台市内の球団事務所で契約更改交渉を行い、30万円増の450万円でサインした(金額は推定)。東京ヤクルトを戦力外となり、楽天で再出発した今季は最終戦で481日ぶりの1軍マウンドに立った。「新しいスタイルも見えつつある」と新球種を習得し、来季のフル回転を誓った。
右肩痛の影響で東京ヤクルトを戦力外となり、今季は生まれ育った故郷・仙台に本拠地を置く楽天でリスタートした由規。「怪我をしている、本当に投げられるかどうかわからない状態の中、声をかけていただいた。育成契約から始まり、支配下になりましたが、1年間、怪我なくシーズンを終えることができ、本当に球団には感謝しています」と語った。
育成から支配下となったのは7月28日。そして、レギュラーシーズン最終戦の9月26日の埼玉西武戦で9回の1イニングに登板した。481日ぶりの1軍マウンドで最速150キロをマークし、無安打無失点の好投。2つの三振を奪い、復帰を果たした。「投げている最中は正直、あまり覚えていない」というが、「自分が思っている以上の歓声をいただいた。その歓声に乗せられて、いいピッチングができたんじゃないかなと思います」とファンの後押しに感謝。「仙台に帰ってきたな、帰ってきてよかったなという思いがこみ上げてきました」と思い返した。
先発、中継ぎとポジションはとわず「1年間、1軍でフル回転できるように頑張りたい」
来季について「(先発や中継ぎなど)どういうポジションになるかわかりませんが、1年間、1軍でフル回転できるように頑張りたい」と力強く語った。1軍でフル回転するための手応えも得ているようだ。「秋もいろんなことに挑戦し、自分の新しいスタイルも見えつつある」といい、ツーシームやシュートボールを習得中であることを明かした。
「理想はストレートと同じような形で、1球で仕留められるような球。今までの三振を狙いにいくスタイルだと球数もかかってしまう。極端に言えば、1球で終わらせられるようなピッチングスタイルが一番の理想。球数を減らせられれば肩の負担も減ると思うので」
軸はあくまでストレート。これまで使ってきた変化球にも磨きをかけた上で新たな球種を使えるようにしていくつもりだ。
また、今季の反省も生かす。イースタン・リーグでは13試合に登板したが、スピードが140キロほどの日もあれば、150キロ近い日もあっという。調子の波は球団からも指摘され、「140キロ後半の押し込めるようなストレートの球威にもこだわっていきたい。シーズンを通して波なく投げていきたいです」と意気込む。球筋や回転数、軌道などの数値とも向き合い、「あくまでバッターとの勝負ですが、いかせるものは最大限活用していきたい」と話した。
来季はプロ13年目。来月には30歳となるが、まだまだ進化は止めない。新たなスタイルで「1年間、1軍でフル回転」を実現してみせる。
(高橋昌江 / Masae Takahashi)
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