【試合戦評】「アメニモマケズ」、杜の都に響いた快音の数々。投打かみ合った楽天が快勝

パ・リーグ インサイト

2016.9.12(月) 00:00

楽天生命パーク宮城(C)PLM
楽天生命パーク宮城(C)PLM

この日唯一のプロ野球開催となった、Koboスタ宮城での楽天対オリックスとの一戦。楽天は7連戦の中日、オリックスも昨日大阪での試合を終えての移動で、明日にはすぐ札幌へ移動するという体力的にも厳しい中で迎える。

オリックス先発は、プロ初先発の赤間投手。6月以降の中継ぎ登板16試合で失点2、自責点1という実績を買われての登板。首脳陣の期待に応える結果を残したいところだったが、いきなりプロの洗礼を浴びる形に。初回から満塁のピンチを招いてしまうと、島内選手・藤田選手に適時打を許して4失点。ほろ苦い先発デビューとなる。

一方、いきなり4点の先取に成功した楽天にも、直後の2回表にアクシデントが襲う。2死の小島選手の打席時、ファウルチップが捕手・嶋選手の左腕を直撃。長い治療の末、左腕にプロテクターを装着して試合に臨み、この回を無失点でしのぐ。

その裏、オリックスは早々に赤間投手を諦め、齋藤綱投手をプロ初登板のマウンドに送り出す。思い切りよく腕を振りながら2死までこぎつけるが、楽天・ペゲーロ選手に豪快な8号アーチを許し、リードを5点に広げられる。

勢いそのままに試合を進めていきたい楽天だったが、直後の3回表から結局嶋選手に代わり足立選手がマスクを被る形に。楽天にとっては嫌な空気が漂うが、これを振り払ったのは攻守で躍動を続けるルーキーの茂木選手。3回裏、甘く入ってきたストレートを逃さず、「風も味方してくれました」と振り返るバックスクリーンへの5号ソロアーチを放つ。

打線の援護に恵まれた楽天先発の美馬投手は、5回まで許した安打は初回に許した糸井選手の内野安打のみ。6回に再び糸井選手に安打を許した後、T-岡田選手の適時打を許すが、後続を封じて最少失点にとどめる。

その後、楽天は6回裏に島内選手と茂木選手の2者連続アーチ。試合中盤で2桁得点に乗せると、オリックスの反撃を7回の内野ゴロ間の1点に封じる。

8回表に雨が強くなり試合中断を挟むも、美馬投手から代わった青山投手が再開後のオリックスの攻撃を2者連続三振でしのぎ、最終回も青山投手が3者凡退で締めて試合終了。9点差をつけて大勝を飾り、8回途中2失点の美馬投手は自身初2桁勝利に王手とする自己最多9勝目を挙げた。

楽天はこれで残り試合17試合で、3位・千葉ロッテとのゲーム差は7.5。数字の上でもまだまだ厳しい状況には変わりないが、可能性がゼロになるまで楽天は諦めずに目の前の一勝をつかみにいく。

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