侍ジャパンの合宿地で会見開き胸中を吐露「最高峰の舞台に挑戦したい」
西武の秋山翔吾外野手が29日、海外フリーエージェント(FA)権を行使してメジャーリーグ挑戦を目指すことを表明した。「第2回 WBSCプレミア12」に臨む野球日本代表「侍ジャパン」のメンバーに選出されている秋山は、2次合宿地の沖縄・那覇市内で正式にメジャー挑戦の意向を表明。「最高峰の舞台に挑戦したい」と胸中を吐露した。
秋山は今季途中の8月20日に海外FA権を取得。2016年から結んだ3年契約は昨季が最終年で、オフには球団から新たな複数年契約を提示されたが、これを固辞。海外FA権の取得を視野に入れ、単年契約を結んでいた。西武は今年も複数年での大型契約を提示し、慰留に務めている。この日はDeNAの筒香嘉智外野手も横浜市内で記者会見を開き、ポスティングシステム(入札制度)を利用してのメジャー挑戦を正式に表明していたが、日本を代表する外野手がもう一人、海を渡る決断をした。
以下は記者会見の主な一問一答。
「わたくし、秋山翔吾は昨日、海外フリーエージェント権の行使を球団に伝え、申請書を提出しましたことを本日報告させていただきます。ライオンズのファンの皆さんにもお礼を伝えたく、9年間使っていただき、一緒に戦ってきた監督、コーチ、選手、チームメート含め、チームスタッフの皆さん、そして球団職員の方々のことを思うと何とお礼を申し上げていいか分かりませんけど、行使決断をしました」
――行使する決め手になったのは?
「この権利を行使しようとしたきっかけは、ライオンズで戦った9年間もありますし、侍ジャパンに若い頃から呼んでいただいて、海外の選手と戦っていくうちに自分でも最高峰のレベルと言われるメジャーリーグを意識したので、それが決断と言うよりはきっかけになった」
――国際大会を経験する中で通用すると感じたか?
「全てが全部うまく行った試合ばかりじゃなかったですけど、自分のレベルがどれほど通用するのか知りたいということと、最高峰の舞台で戦いたいという思いが強くなっていったのでこういう決断をしました」
――どんな球団がいい?
「どういう話が来るかも分かりませんし、自分がどこに行きたいということよりも、自分を必要としてくれているところがあるかというのが先にあるので、今はそういうイメージというのは湧いてないんですけど、まずは自分が行使するというのが一歩目だったので、その一歩目を踏めたのは今日だという感じです。
前田や田中は同級生「彼らが投げている姿、活躍する姿が刺激になっている」
――家族の反応は?
「妻とは前から話はしていたんですけど、子供たちも小さいですし、その中で僕の決断を尊重しているという話をしてくれたので、自分がチャレンジしたいという方向に進んできたかなと」
――今回の侍ジャパンへの思いは?
「僕自身、今メンバーに呼ばれて日本代表としてやっていることがここにいる意味だと思っているので、世界一のメンバーになれるように、世界一を獲るチームになれるように、そこに全力を尽くすだけ。あとのことは良くても悪くても自分の結果だと思っているので、まずはチームのためにやりきる大会にしたいなと思います」
――前田健太や田中将大ら同級生がメジャーで活躍している。刺激に?
「ピッチャーと野手で全く違いますし、彼らは日本でかなり成績を残してきているので、それでも同級生というのは、彼らが投げている姿、活躍する姿が刺激になっているのはあるので。そういう舞台で戦えるように自分もなれたらいいなと思います」
――2人に相談は?
「いや、直接行使についての話は全くしてないです」
――東京五輪はメジャーリーガーの参加は難しい。
「それは日本にいても今のメンバーが中心にはなると思いますけど、稲葉監督とも相談していただいて、今回の大会に必要だと言っていただいたので、まずはこの大会に尽くす思いで来ました。このあとどういう形になっていくかわからないので、オリンピックのことは少し考えられていない部分はあります」
(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)
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