ロッテの中森俊介が5月4日に今季初昇格を果たすと、ここまで4試合・4イニングを投げ、2被安打、4奪三振、0与四球、0失点、防御率0.00と頼もしい働きぶりを見せている。
15日のオリックス戦では昇格後初めて、同点の場面で登板。3-3の7回にマウンドに上がった中森は先頭の紅林弘太郎に内野安打を許し、若月健矢の送りバントで得点圏に走者を進めてしまったものの、宗佑磨を149キロのストレートで空振り三振、中川圭太を129キロのスライダーで三ゴロに仕留めた。
直後の7回裏、二死走者なしから髙部瑛斗、小川龍成の連打でチャンスを作り、同学年の西川史礁の3ランで勝ち越し。6-3の8回・鈴木昭汰、9回・横山陸人のリレーで逃げ切り、中森は今季初勝利を手にした。
◆ 「怪我なくというところ」
中森は昨季、150キロを超えるストレートとフォークを軸に前半戦25試合・29回1/3を投げ、2勝2敗10ホールド5セーブ、防御率1.23と抜群の安定感を誇り、自身初のオールスター出場を果たしたが、オールスター明けは腰痛により一軍登板がなかった。
3月18日の楽天二軍戦で、今季二軍公式戦初登板を果たし、1イニング14球投げたが、そのうち13球がストレートだった。ストレート主体の投球だったが、「一軍で戦う上での準備というところなので、僕の場合はまっすぐが上がってこないと勝負にならない。バッターが待っていても、そこでファウルなり、空振りなり、カウントを整えていけるようなまっすぐに戻していかないといけない」と説明した。
その後もファームの登板で145キロ前後とあまりスピードが出ていなかったが、昇格前最後の登板となった5月2日のオリックス二軍戦では、ストレートの最速149キロを計測し、投じたストレートが全て145キロ以上とスピードが戻ってきた。1-0の4回二死一塁で寺本聖一に投じた初球の外低めの146キロ見逃しストレートが良かった。
5月4日に今季初昇格を果たすと、同日のオリックス戦で今季初登板を果たし、1回・12球を投げ、0被安打、1奪三振、0失点に抑えた。1回を無失点に抑えた今季3試合目の登板となった5月12日の日本ハム戦では、体を大きく使ったフォームで投げているように見えた。本人に確認すると、「その通りです」と一言。その理由について「体全体を使って投げたい意識です」と明かした。同日の日本ハム戦では最速151キロで、150キロ超えが7球。体を大きく使って投げたことも関係しているのか訊くと、「そうですね、要因のひとつだと思います」と教えてくれた。
オリックス二軍戦以降はストレートのスピードが戻ってきている。本人も「スピードは戻ってきていると思います。あとは離脱することなく、怪我なくというところで状態を見ながらですね」と前を向く。
ストレートのスピードが上がってきた要因に「不安要素が少しずつなくなってきたのと、毎日PT(理学療法士)の方だったり、トレーナーの方が見てくださったおかげだと思います」と、復帰に向けてサポートしてくれたスタッフを挙げ、そして感謝した。
3月取材した時にはストレートが上がってこないと勝負にならないと話していたが、「本当にその通りだと思います。まっすぐでもう少し押し込みたい気持ちはありますけど、今は変化球の状態が良いと思うので、うまいこと使いつつ、徐々にまっすぐも戻していければなという感じです」と自己分析。
その変化球は、昨季は追い込んでからフォークを投げることが多かったが、今季はスライダーが多い。「そうですね。良いものからどんどん使っていって、中継ぎなので1イニングですし、2巡目とか考えることもないので、目の前のバッターにというところを考えた時に良いものをどんどん投げていくという感じです」
特に今季のスライダーは横に大きく曲がる。5月12日の日本ハム戦、2-3の9回一死走者なしで万波中正を2ストライクから132キロの横に大きく曲がるスライダーで空振り三振に仕留めた。「先に追い込んで、あれはカウント有利だったので、大きく曲げてボール球でもいいかなという意識で投げました。良い球だったと思います」と振り返った。
フォークも決め球に投げる機会が少ないとはいえ、ストライクゾーンからボールゾーンに良い落ち。「もう少し改良の余地というか、していかないと、と思います」。5月2日のオリックス二軍戦、1-1の4回二死三塁で池田陵真を2ボール0ストライクから147キロストレートで連続ファウルで2ボール2ストライクとカウントを整え、136キロのストライクゾーンからボールゾーンに落ちるフォークで遊ゴロ。あのボールは三振を狙いにいったのだろうかーー。
「まっすぐの軌道で乗せることも今も意識しているんですけど、まっすぐがまだその時全然きてなかったというのもありますし、コースとしては悪くなかったのかなと思います」
中森がブルペンに帰ってきたことに加え、しっかりと安定した投球を見せていることが何よりも大きい。「怪我なく離脱することなく、徐々に状態を上げていければなと思います」。昨季は故障で離脱してしまったが、今季はしっかりと最後まで完走していきたい。
取材・文=岩下雄太