「練習の流れを掴めて、あとは実戦で投げることだけだと思うので、そこに向けてしっかり今練習しています」
ロッテのドラフト1位・石垣元気(健大高崎高)は、プロ入りしてからのここまでのプロ生活についてこのように話した。
石垣元は健大高崎高時代、24年春の選抜から4季連続で甲子園に出場し、U-18の日本代表にも選出され、銀メダル獲得に大きく貢献。最速158キロストレートを武器に、ドラフト前にはアマチュアNo.1と呼ばれるほど、高い評価を受けた。昨年10月23日に開催されたプロ野球ドラフト会議では、ロッテ、オリックスから1位指名を受け、ロッテが交渉権を獲得。背番号は伊良部秀輝氏、清水直行氏といった“マリーンズのエース”が着けていた『18』を背負う。
2月の都城春季キャンプでは、3日にプロ入り後初めてブルペンに入り、捕手を立たせて15球を投げ込むと、2月6日に2度目のブルペン入り。2月11日もブルペンに入り、都城春季キャンプ期間中、3度ブルペンに入った。
ロッテの高卒新人といえば、新人合同自主トレ期間中は基本的にブルペンに入らず、春季キャンプが始まってからも2月10日以降に初めてブルペン入りすることが多かった。現在ドジャースでプレーする佐々木朗希も、プロ入り後初ブルペンは2月13日で、ストレートのみ25球だった。
近年の高卒投手に比べて、石垣元気は体が出来上がっているから、2月の早い段階からブルペンに入っていたのだろうかーー。
黒木知宏コーチは都城春季キャンプ中の取材で、「選手の状況を見ながら、コーディネーターを含めて、“これくらいのボリュームで、これくらいの球数だったらいける”という判断のもとにブルペンに入れている状況です」と明かしている。
◆ ストレートが武器
石垣元気は現在、ファームで過ごす。「線が細いので筋肉をつけるのが一番必要かなと思います」と、プロで戦う体を作っている最中だ。
日々のトレーニングも「将来を見据えて体を作っているスケジュールが組まれているので、徐々にかなと思います」と、将来一軍で戦うイメージをしながら、土台作りができている。
都城春季キャンプでは5年連続規定投球回に到達した小島和哉、現在ロッテ浦和球場ではWBC日本代表の種市篤暉が汗を流している。「開幕投手だったり、侍ジャパンを選ばれたりしたすごい投手がたくさんいるので、良いところを見習っていいところを吸収していければいいかなと思います」と、実績のある先輩たちを間近で見たことによって、大きな刺激を受けた。
石垣元気の最大の魅力はストレート。昨年9月11日、『ラグザス presents第32回WBSC U18野球ワールドカップ』スーパーラウンドアメリカ戦、6-2の8回一死満塁で右打者マーフィーの初球に投じた外角154キロ見逃しストレートが非常に素晴らしかった。右打者の外角のストレートは自信のある球なのか問うと、石垣元気は「そうですね、外角というか、ストレートは自分が一番自信のあるボールなので、自信を持って投げています」と力強く話した。
ファウルを打たせたり、空振りを取ったりと、ストレートにはどういったこだわりを持っているのだろうかーー。
「一番は腕を振って威力のあるストレートを投げるということは、意識やっています」
昨年12月11日に行われた新入団選手発表会では「まだ日本人で170キロを投げた人がいないので、自分が初めて投げて日本中をびっくりさせたいです」と決意を述べたが、160キロ、170キロのストレートを投げるために必要なことについては「一番は体づくりだと思っています」とキッパリ。
「ストレートだけで抑えられるピッチャーになることを目標にしているので、球速だけにこだわらず、質もこだわっていければなと思います」。将来はマリーンズのエースだけでなく、日本代表のエースとして活躍が期待される石垣元気。そのために、今の時間をどう過ごすかが重要になってくる。
取材・文=岩下雄太