育成から再出発2年目の横山楓、初の開幕一軍の朝もいつも通り、パートで支える愛妻の弁当。大敗での登板も「0-0のつもりで投げた」

ベースボールキング

開幕カード2試合で、2回を無失点に抑えたオリックスの横山楓(写真=北野正樹)
開幕カード2試合で、2回を無失点に抑えたオリックスの横山楓(写真=北野正樹)

【Buffaloes Inside】

 オリックス・横山楓投手の食卓に、特別な儀式はなかった。プロ5年目で初めて迎えた開幕一軍。横山楓投手の朝食は、愛妻弁当だった。

「いつもと同じです。パートで働いている妻が作ってくれたお弁当を、球場に持っていって食べましたよ」。開幕の1日を終えた横山楓が、笑顔で明かした。プロ野球選手にとって、開幕は、元日と同じ特別な日。「めでタイ」との語呂合わせや、最後まで全うするという願いを込め、タイの尾頭付きを用意する家庭もある。

「僕もいつも通りやりたいというか、毎日、パフォーマンスが出せるように考えて作ってくれていますんで。毎日、豪華なんで特別な料理はありませんでした」。この日のメニューは、ご飯に鶏肉と納豆、フルーツ、煮つけ、汁物など。栄養士にメニューをみてもらって作ったお弁当が、マウンドでのパワーの原動力だという。

 横山楓は宮崎県出身。宮崎学園高、國学院大、セガサミーから2021年ドラフト6位でオリックスに入団。ストレートとフォークが武器の右腕だが、2024年オフに戦力外通告を受け育成契約で再出発し、2025年にウエスタン・リーグで主に抑えとして活躍し、7月に支配下で再登録された。昨季は1軍で14試合に登板し、プロ初勝利を含む2勝を挙げた。

 育成生活を支えたのが、高校時代に練習試合の相手マネジャーだった1学年年下の妻。「給料が下がった分、働いてくれています。妻が忙しい中、家事も育児も仕事も頑張ってくれているから、僕も頑張れました」と内助の功に感謝する横山楓。

 今季初登板は、開幕戦の9回にやってきた。0-10の一方的な展開。1死から連打を許したものの楽天・小深田大翔内野手をストレートで中飛、村林一輝内野手をカットボールで空振り三振に仕留め、0点でマウンドを降りた。「プロに入ってから一番、緊張しました。点差はありましたが、0-0のつもりで投げました。2本目を打たれてから切り替えて修正できたことはよかったと思います」と安堵の表情を浮かべた。

 3戦目は、先発の田嶋大樹投手が2失点で降板した2回から登板し、1イニングを無失点に抑え、8投手による継投勝利の舞台を整えた。「試合の流れもありますし、自分は立場的に1試合、1試合を抑えなくてはいけないので、集中していました。早い回からの登板でしたが、しっかりと準備はできていました」と胸を張った。

 3戦目の日曜日は、妻と二人の子供が試合を見守ってくれた。「3人目も欲しいので」と、「ヤクルトレディー」としての妻の仕事は6月で終わる。「今日は、妻の誕生日なんです。これからケーキを買いに行きます」。中継ぎとしてブルペン陣を支え、大黒柱としても家庭を支える。

取材・文=北野正樹

パ・リーグ.com ニュース

育成から再出発2年目の横山楓、初の開幕一軍の朝もいつも通り、パートで支える愛妻の弁当。大敗での登板も「0-0のつもりで投げた」