
オリックスが、DeNAを戦力外となった藤浪晋太郎投手(32)の調査に乗り出していることが9日、分かった。課題とする先発陣の強化を目指し、160キロ超の剛速球や経験、実績に注目。11月に行われるトライアウト終了後の交渉解禁に向け、さらに動向を追っていく方針だ。獲得が実現すれば、森友哉捕手(31)と「大阪桐蔭バッテリー」が復活。大きな注目を集めることは間違いない。
オリックスはしっかりと来季を見据えていた。2年ぶりのBクラスとなる4位に沈み、シーズン全体の戦いを精査。先発陣の強化を最大の課題とした。国内外を問わず、候補となり得る投手をリストアップ。中心となる一人が藤浪だった。
今季はDeNAで3試合の1軍登板にとどまったものの、160キロ超の剛速球は衰え知らず。キャリアを通じて大きな故障離脱がないのも魅力といえる。NPB通算58勝を記録し、メジャーでも64試合に登板。実績、経験ともに豊富だ。来季構想から外れたことが判明した9月末、藤浪は「(シーズンの)最後の方は自分らしい投球を取り戻せていたんじゃないか、と。NPBでプレーさせてもらえたら」と今後について希望。直後からオリックスは水面下で動向を追っていた。
エースの宮城と山下が左肘、右肘の手術で長期離脱中。来季は後半戦中の復帰が現実的だ。曽谷は終盤に左肘の違和感で離脱し、13勝で初の最多勝に輝いたエスピノーザにも他球団が関心を寄せている状況。先発の駒不足は否めない。11月に行われるトライアウト後の交渉解禁へ向け、調査を本格化させていく模様だ。
地元・大阪出身の藤浪は、大阪桐蔭で3年時に甲子園春夏連覇を成し遂げた。バッテリーを組んだのが1学年下の森友。プロ入り後も合同で野球教室を行うなど、関係を深めてきた。西武からFA移籍4年目を終えた森友も8月に左手首を手術し、捕手として完全復活を期す立場。加入が実現すれば藤浪にとっては初のパ・リーグとなり、京セラDで「黄金バッテリー」の再結成にも期待が膨らむ。
就任3年目となる岸田監督は「本当にこのままではいけない。そこを当然、目指してやります」と4年ぶりの優勝を誓っている。阪神時代にはプロ1年目の13年から3年連続で2ケタ勝利をクリアし、15年に最多奪三振のタイトルを獲得。17年には日本代表として、WBCの大舞台も経験した。制球難などでここ数年は不振にあえいできたが、他の追随を許さぬ爆発力は健在。来たるべき時に備え、可能な限りの準備を進めていく。
◆藤浪 晋太郎(ふじなみ・しんたろう)1994年4月12日、大阪府生まれ。32歳。大阪桐蔭3年時に1学年下の森(現オリックス)とバッテリーを組み、甲子園で春夏連覇。2012年ドラフト1位で阪神入団。15年に最多奪三振。17年WBC日本代表。22年オフにポスティングシステムで米アスレチックス入り。オリオールズなどを経て、25年7月にDeNA入り。NPB通算198登板58勝55敗11ホールド、防御率3・46。MLB通算64登板7勝8敗、防御率7・18。197センチ、98キロ。右投右打。今季年俸は8000万円(推定)。
◆甲子園での藤浪と森友のバッテリー 大阪桐蔭時代の12年春に藤浪は4試合に先発、1試合に救援登板。全て森友とのバッテリーで5勝を挙げ、全国制覇を果たした。夏は沢田圭佑(現ロッテ)が2失点完投した3回戦の済々黌戦以外の4試合を藤浪が1人で投げ抜き、準決勝の明徳義塾戦、決勝の光星学院戦はシャットアウト勝ち。森は全試合に「1番・捕手」でフル出場し、エースを支えた。
◆オリックスの主な先発陣成績
エスピノーザ 23試合 13勝6敗 防御率2・71
九里 27試合 9勝12敗 防御率3・19
高島 23試合(先発20試合) 7勝6敗 防御率4・98
曽谷 14試合 5勝8敗 防御率4・14
ジェリー 21試合 3勝10敗 防御率3・38
田嶋 18試合(先発12試合) 2勝5敗 防御率5・89