ロッテの田中晴也は8月に再昇格を果たしてから6試合・38回を投げ、1勝0敗、43奪三振、9与四球、防御率3.08。6試合中5試合でクオリティ・スタート(6回以上3自責点以内)をクリアするなど、安定した投球を見せている。
昇格してからはストレートが抜群に良い。前回登板の9月25日の西武戦でも、0-0の2回先頭の渡部聖弥を1ストライクから空振りを奪った2球目のインコース148キロストレート、0-0の2回一死走者なしで蛭間拓哉を1ボール1ストライクから投じた3球目のインコース148キロ見逃しストレート、0-0の5回一死走者なしで石井一成に1ストライクから投じた2球目のインコース149キロ見逃しストレートなど、右打者、左打者へのインコース、アウトコースともに素晴らしい球を投げ込む。
「一軍に上がってから最近良くなってきていると思いますし、二軍に落ちた時にそこは課題だったので、そこはしっかりできているのかなと思います」
武器であるフォークも、9月8日の楽天戦、2-1の7回先頭のYG安田を1ボール2ストライクから空振り三振に仕留めた5球目の134キロフォークがストライクゾーンからボールゾーンに良い落ちを見せれば、9月25日の西武戦、0-0の3回一死走者なしでカナリオに2ストライクから空振り三振に仕留めたインコースの136キロシンカー系フォークなど、ストライクゾーンからボールゾーンに落ちるフォーク、右打者にシンカー気味に落とすフォークが非常に良い。
「良くなってきているのももちろんありますし、まっすぐが良くなっていて、まっすぐの高さが前半戦よりもボール1つ分低く投げられているところが、ピッチトンネルもそうですし、フォークが活きているところかなと思います」
8月13日のソフトバンク戦、2-0の4回先頭の山本祐大を2ストライクから3球目の外角150キロストレートで見逃し三振。序盤は追い込んでからフォークで三振に仕留めていたが、相手の意表をつく三振に仕留めると、3-2の5回二死一、二塁で山本祐大を1ボール2ストライクから今度インコースシンカー系137キロフォークで空振り三振に仕留めた。
「投げているボールが良くなっていることが一番だと思います。その中でとにかく有利カウントを作ることと、3球勝負を常に大事にしているので、相手よりも先に勝負に仕掛けられているのが一番良いのかなと思います」
フォークで三振を奪う中で、9月15日の日本ハム戦、0-2の4回先頭の万波中正をストレートで2球、スライダーで1球ファウルにした後、4球目の135キロフォークでタイミングを外して空振り三振に仕留めれば、前回登板の西武戦でも0-0の初回二死走者なしで小島大河に初球意表をつく128キロスライダーで見逃し、2球目の136キロゾーンのフォークでタイミングを外して空振りを奪ったりしている。
「投げている球もありますし、とにかく本当に3球勝負というか、自分のカウントでしっかり際どいゾーンに投げられていることが大きなことかなと思います」
昇格してからは投球テンポがかなり良くなった。「二軍から意識してやってきましたし、今でも少しずつ自分のリズムの中で投げられるようになってきている。いいところだと思いますし、ここを継続していかないといけないところだと思います」
6月14日に一軍登録抹消されてから8月13日に再昇格するまでの2ヶ月間、ファームでの練習姿を見ていると、全体練習前にはブルペン捕手とキャッチボールや確認をしたり、全体練習後もブルペン捕手とキャッチボール、ランニングなど、自覚を持って、自分自身と向き合っているように見えた。
「本当に意識というか、自分はやることが多いので、やるべきことがたくさんある中で時間を無駄にしてはいけないですし、1日1日でも早く一軍に上がりたい、納得のいく状態というか、前半戦とは違った形で一軍に早く呼ばれたい気持ちがありました。それを考えた時に1日1日やらなければいけないことがたくさんありました。やるべきことをしっかりやることしか考えていなかったです」
ファームの登板を見ても、6月28日の日本ハム二軍戦では1イニング目の5回は16球中13球がストレート、7月19日の巨人二軍戦では右打者のインコースのストレートが多かったり、8月2日のヤクルト二軍戦では左打者のインコースのストレートが多かったりとテーマを持って投げている印象を受けた。
「リズムというところと、投げるボールはしっかりストレートを自分のボールを投げるところで、前半戦メカニックの部分でうまくいかない部分がありました。とにかくリリースのところでいいリリースをすることをテーマに、美馬さんとずっと練習していましたね」
一軍に戻ってからは、安定した投球を継続している。「自分の中でリズムだとか、まっすぐも良くなっていますし、右の被打率が高いところに対して右のスライダー、右のインコースをトライできています。投げるごとに自分のピッチングスタイルは表現できていると思うので、そこをしっかり継続していくことが大切だと思います。チームスポーツなのでリズム良く投げることは継続して、1つ1つの精度をゲームの中で上げていければいいかなと思います」。角中勝也の引退セレモニーを行うゲームで先発を任された田中晴也。リズムの良い投球で、チームを勝利に導きたい。
取材・文=岩下雄太