
◆オープン戦 中日3―4オリックス(11日・バンテリンドーム)
オリックス・麦谷祐介外野手(22)は、野球ができる喜びをかみしめた。「こういう日に活躍できたことが、本当にうれしいです。もっと貪欲に、一喜一憂せずにやっていきたい」。宮城・仙台市出身のドラフト1位。オープン戦5試合目で初のマルチ安打を記録し、地元・東北のファンにも雄姿を届けた。
初回に同じ02年生まれの右腕・高橋宏から左中間二塁打。低めの153キロをたたいた。さらに一、三塁と好機は広がり、頓宮の遊ゴロで先制のホームイン。5回1死一塁ではブライトが目測を誤ったが、右越えの二塁打で追加点に絡んだ。
14年前のこの日、東日本大震災が発生した。当時は小学2年生。「津波が家から見えて、避難をして…。たくさんの悲鳴だったり、もう二度とあってほしくないです」と、情景は今も鮮明に浮かんでくる。楽天のアカデミーでプロ野球選手を夢見た麦谷少年。楽天・嶋のスピーチを心に刻み、真っすぐに歩んできた。
チームも6敗1分けだった3月の対外試合で初勝利を挙げ、オープン戦の単独最下位も脱出した。中堅の定位置は中川、福田らと競争。「いい相乗効果が生まれてきている」と岸田監督を悩ませそうだ。好きな言葉は「誰かのためにやる人間は強い」。特別な一日に結果を出し、最後まで面白くする。(長田 亨)
〇…エスピノーザが開幕モードに入った。常時150キロ前後の直球に加え、新球のチェンジアップも効果的に配球。目安だった5回を無失点、62球で収めた。来日1年目だった昨季は宮城、曽谷とともにチーム最多の7勝を挙げ、先発の一角として期待される右腕。開幕2カード目の初戦にあたる4月1日のロッテ戦(ZOZO)を見据え「すごく感覚は良くなっている。毎日が新しい日なので、とにかくしっかり練習していくだけ」と慢心はなかった。
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