
自分に合っているのではないかと感じる再出発だ。横手に近い位置から独特の軌道で投げ込む変則左腕の弓削隼人投手(31)は、7年間プレーした楽天から戦力外通告を受け、来年からアマチュア担当スカウトとなる。「10年間やりたかったので物足りなさもありますけど、やりきったかなと思います」と現役生活を振り返ると、スカウトの仕事について思いを巡らせた。「スター性のある選手は勝手に候補に上がるけど、僕みたいなポッと出の選手もいっぱいいる。そういう選手を正しく評価することが求められる役割だと思う」と、自身の体験を生かしていく。
ドラフト指名される約半年前まで、弓削は公式戦でベンチにすら入れなかったという。しかし、プロ注目選手がいた相手とのオープン戦に登板してすべてが変わった。「そこで多分、人生で1番のピッチングをして、スカウトの方から声をかけていただいた。そういう経験をしているので、一瞬のチャンスは見逃しちゃいけないと思っている」。これからは原石の一瞬のきらめきを見極め、中心となる選手を何人も送り込んで楽天に恩返しする。
◆弓削 隼人(ゆげ・はやと)1994年4月6日、栃木県出身、31歳。佐野日大から日大、SUBARUへ進み、18年ドラフト4位で入団。プロ1年目の19年7月30日の日本ハム戦で、プロ初勝利を初完封で飾った。今季は1軍登板なし。NPB通算82試合登板、9勝7敗、防御率4・94。193センチ、105キロ。左投左打。
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