
◆SMBC日本シリーズ2025第4戦 阪神2―3ソフトバンク(29日・甲子園)
12球団の支配下選手で最軽量右腕が、投打で躍動した。体重65キロ。ソフトバンク・大津亮介投手(26)は、日本シリーズ初先発で5回無失点と好投した。「いい緊張感の中で集中して、自分らしい投球ができてよかった」。DH制のない敵地。3回1死のプロ初打席では「自信がある」という快足で、遊撃内野安打をもぎ取った。1点リードの5回には、野手顔負けの選球眼で四球。自らが貴重な追加点の起点となり、日本一に王手をかける1勝をたぐり寄せた。
昨年黒星雪辱 昨年はDeNAと頂上決戦の第3戦で初登板。1―1と同点の5回に先頭・桑原に決勝ソロを浴びた。1/3回を2失点で敗戦投手。そこからチームは4連敗で、日本一を逃した。昨年と同じ連勝後の大事な一戦。今度は勝利投手になり、苦い記憶を右腕で振り払った。
140キロ台中盤の直球と同じ軌道で30キロの球速差がある“真っチェ”を駆使。奥行きある投球で虎打線を翻弄(ほんろう)した。多彩な球種を持ち味にする一方で、小久保監督から「どうやって抑えたいのか、意図が見えない」と厳しい言葉を向けられた時もあったが、先発転向2年目の今季は7月以降だけで6勝。モイネロ、有原ら10勝カルテットに割って入った大舞台の先発に、結果で応えた。
日本Sで初奪三振に初安打、初得点、初勝利と一気に記録した。日本一がかかった第5戦は、有原が中4日で先発。第1戦で6回を2失点と好投しながら、敗戦投手となっている。雪辱を期すエース右腕にも、最高の形でつないだ。(畑中 祐司)
◆記録メモ
▼V確率96% ソフトバンクが3連勝。対戦成績を3勝1敗として、日本シリーズ優勝に王手をかけた。2勝1敗から王手は21年のヤクルト以来26度目。過去25度のうち、55年の南海を除く24度は優勝しており、V確率は96%。
▼4勝3敗は100% CS最終Sを4勝3敗で勝ち抜いたソフトバンクに対し、阪神は無傷の4勝。4勝先勝制のCS最終(第2)Sを4勝3敗、アドバンテージによる勝敗を除き全戦全勝の“スイープ”で突破したチームの対戦は
【4勝3敗】 【全勝】
12年V巨○○●●○○日
14年Vソ●○○○○ 神
24年VD●●○○○○ソ
今年 ソ●○○○? 神
4度目。過去3度はいずれも4勝3敗のチームがV。
▼米大リーグも ちなみに今年のワールドシリーズも、リーグ優勝決定シリーズで4勝3敗のブルージェイズと、4勝0敗のドジャースが対戦。優勝決定シリーズが7試合制となった85年以降、4勝3敗と4勝0敗の対戦は5度目。こちらも過去の4度は、全て4勝3敗で勝ち抜いたチームが優勝している。
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