ソフトバンク・山川穂高、西武時代からの練習法で目覚めた「完璧。今年一番くらい」3ラン含む5打点大暴れ

スポーツ報知

2025.10.27(月) 05:00

2回2死一、二塁、3ランを放った山川(中央)は右翼席のソフトバンクファンに向かってどすこいポーズを決める(右端は上沢=カメラ・朝田 秀司)

◆SMBC日本シリーズ2025第2戦 ソフトバンク10―1阪神(26日・みずほPayPay)

 「SMBC日本シリーズ2025」は、みずほペイペイドームで第2戦が行われ、ソフトバンクが阪神を下し、1勝1敗のタイに戻した。1点を追う初回に栗原の適時打で追いつき、続く山川穂高内野手(33)の右翼フェンス直撃の2点二塁打で勝ち越し。2回は両チーム通じて今シリーズ(S)1号となる山川の3ランなどで一挙6点を追加した。周東佑京内野手(29)は日本S新記録となる1試合5安打をマーク。自身シリーズ初登板の上沢は6回1失点で先発の任務を全うした。第3戦は28日に甲子園で行われる。

 悩める大砲が目覚めた。先制された初回に同点とし、なおも2死一、二塁。山川が自身の流れもチームの流れも変えた。外角の151キロを右中間へ。「クリが同点にしてくれたから。クリが打たなかったら、きつい展開だった」と栗原の同点打に続いた。フェンス直撃の勝ち越し2点二塁打。決勝打になった快音が、14安打10得点の猛攻を呼んだ。

 不動の4番として日本シリーズを迎えた昨年とは立場が激変。不振の今季は下位打線での出場も目立ち、第1戦はスタメンから外れた。代打で四球を選び、この日は6番。「悔しさはあったけど、自分の責任」と、無心のシリーズ初スイングで意地を見せた。

 この一打で、CSから7試合連続3得点以下だった打線も爆発。2回に一挙6点を奪った。締めはまたも山川だ。2死一、二塁でスライダーを捉え、“ドヤ顔”で歩いた。左中間へ距離133メートル(データはNPB+)の特大3ラン。昨年の第2戦(横浜)に続く自身2本目の日本シリーズ弾に「完璧。今年一番くらい」と納得した。「僕が打って(勢いがつき)たくさんの人が打てた。こういう試合は大きい」とニヤリ。3回までの2ケタ安打は10年第2戦の中日(対ロッテ)以来、シリーズ2度目となった。

 ポストシーズンは連日の早出練習を行い「きょうはアーリー(早出)から良かった」と実感。スローカーブを打ち続け「遅い球を打つと、フォームのことに集中できる」と、西武時代からの練習法で体に覚えさせた。その早出では、CSからグラウンドに私物の大音量スピーカーを持参。80~90年代の“懐メロ”を流してナインを和ませてきたが、ついに“本業”での本領発揮でチームに火をつけた。

 昨年は本拠地で3連敗。1勝1敗とした小久保監督は「みなさんに勝ちを見せられなかったので、うれしい。(第3戦から)アウェーですが、ホークスらしい野球で勝ち切りたい」と次戦を見据えた。甲子園の大声援が待っているが、ヒーローは「大きすぎると、何を言っているか分からないので。楽しみます」と独特の攻略法を宣言。左脇腹痛から復帰したばかりの近藤は守備ができないため、復活をアピールした大砲が敵地での4番候補だ。(安藤 理)

 ◆シリーズ記録室

 ▼2ケタ得点5度目 ソフトバンクは打線が14安打で10点を奪い快勝。前身球団を含め、日本シリーズでチームの2ケタ得点は(カッコ内はシリーズ勝敗)

    スコア (勝―敗)

59年〈1〉戦10―7巨(4―0)

03年〈2〉戦13―0神(4―3)

17年〈1〉戦10―1D(4―2)

20年〈2〉戦13―2巨(4―0)

25年〈2〉戦10―1神( ? )

 5度目。過去4度のシリーズは全て優勝している。

 ▼山川10人目 チーム10得点のうち、山川が初回の勝ち越し2点二塁打、2回の3ランで5打点を稼いだ。シリーズで1試合5打点以上は、20年〈2〉戦にシリーズ最多タイの6打点を記録したデスパイネ(ソ)以来、10人目(6打点3人、5打点7人)。先制2ランを含む3安打3打点だった昨年の〈2〉戦に続き、今年も〈2〉戦目に活躍。チームの勝利に貢献した。(阿部 大和)

関連ニュース

【スコアボード】ソフトバンク―阪神
【日本シリーズ】MVPは誰に? 5打点のソフトバンク・山川が一気にトップ浮上…報知式貢献ポイント速報
【日本シリーズ】ソフトバンク山川穂高「さすがに入るよな」特大弾含む5打点
【日本シリーズ】ソフトバンク日本一へ吉兆の2ケタ得点…過去4度ともV
【日本シリーズ】ソフトバンク・王貞治球団会長、大量得点のナインを称賛「今日はウチらしい打線が出たから。つながったからね」

関連LIVE配信

特集
特集
パ・リーグ.com ニュース

ソフトバンク・山川穂高、西武時代からの練習法で目覚めた「完璧。今年一番くらい」3ラン含む5打点大暴れ