
◆2022年 プロ野球ドラフト会議 Supported by リポビタンD(20日)
喜びとともに、背番号1を背負う目標ができた節目の日だった。日体大の二刀流左腕・矢沢宏太投手(22)はドラフト1位で日本ハムの交渉権獲得が決まり、横浜市内の同大学で仲間たちから拍手を送られると、少しだけ表情を緩めた。「小さい頃から聞いていたアナウンスで呼ばれるのは、小さい時に思っていなかったのでうれしく思います」。母・香さんから花束を贈られると、その場で「ありがとう」の文字を記したボールをプレゼントした。
大学では背番号1で投手として最速152キロの直球にスライダーなどを交えて圧倒。打者としても5秒8の俊足を生かし、首都大学リーグでは計3度ベストナイン(投手・外野手・指名打者)を獲得した。「1」は「プロでもつけたい気持ちもあります。そのような選手になれるように頑張りたいと思います」と見据えた。
日本ハムでその番号を背負うのは、新庄監督。矢沢の思いを伝え聞いた指揮官は「ファイターズの選手でも『1』をつけたい選手が多い。活躍したら1番をあげるという約束をしているので。矢沢君がまずは自分でポジションをつかんで、来年もし活躍したら、もう渡します」と約束し、「僕が生まれた時、矢沢君が生まれた時からもう運命的に一緒にユニホームを着て野球をやるのが決まっていたと思う」と喜びを口にした。
指名漏れを経験した4年前。そのドラフトから約1か月半後の12月13日に父・明夫さんが他界。亡くなった後に周囲から「僕の写っている雑誌などを会社に持って行っていろんな人に見せたりと、期待していた部分がある」と聞いたという。「すごく僕のことを応援してくれていて、この場にいてくれないのが残念ですけど、見てくれているとすれば、やっと夢がかないましたと。これからが大事なので、これからも見守ってほしいなと思います」。多くの思いを胸に、プロの世界へ飛び込む。(田中 哲)