メジャー開幕日は祝日に値する?特別な日を彩るさまざまな演出

パ・リーグ インサイト 新川諒

今から3年前、2014年の開幕前に米国ではバドワイザー社の"Make Opening Day a Holiday (開幕日を祝日にしよう)というキャンペーンにより、短期間で10万もの請願を集めた。結果的に祝日と認定されることはなかったが、多くのファンが支持するほどメジャーリーグの“開幕”は認識されている。

メジャーリーグの開幕日は日本のプロ野球とは異なり、数日間に渡って開催される。今シーズンのメジャーリーグ開幕日は4月2日に3試合が予定され、翌日の3日には12試合。3月31日に一斉開幕となっているプロ野球とは全く違った形となっている。ちょっとした開幕のズレを作ることによって盛り上げを序々に高めていくが、しっかりと開幕日のナイターには目玉カードを組み込んでいる。2017年シーズン最初のナイターも昨年優勝を果たしたシカゴ・カブスと同地区ライバルのセントルイス・カーディナルスの一戦が予定されている。

まだ雪も降っている地域、さらには屋外スタジアムでプレーをするメジャーリーグでは必ず開幕翌日は雨天中止に備えた予備日を設ける必要がある。開幕戦から連戦が予定されているのは、可動式屋根のあるミルウォーキーやヒューストンと雨や雪の可能性が低いことが予想されるオークランド、ロサンゼルス、テキサスのみとなっている。

全てのチームが開幕日をホームで迎えるわけではなく、半分以上が次のカードもしくはまたその次にホーム開幕を迎える。チームによってはシーズン中に2、3度開幕ゲームという特別な試合を味わうこともある。

戦う者は“162試合分の1"としか考えていないと話すが、実際にその場にいるとそれ以上の胸の高まりを感じるのが開幕戦だ。選手、監督・コーチ陣以外にもトレーナーを含む裏方まで全員の名前をアナウンスし、紹介される。選手たちと共に1塁・3塁線上に並んで、国歌斉唱そしてフライオーバー(戦闘機がスタジアム上を通過していく演出)が行われる。球場に訪れているファンからすればあまり気にしていない裏方のアナウンスだろうが、当人にとっては、改めてチームの一員として気持ちが入る一瞬であることは間違いない。

近年はスポンサーもMLB開幕戦に向けての盛り上がりに大きく貢献している。MLB唯一の公式キャンプを提供するNEW ERAはソーシャルメディアを活用して、シーズン開幕をさらに活気付けている。#CapsOn (帽子を被る)というハッシュタグで好きなチームの帽子を被ることを促したキャンペーンを2016年シーズンに打ち出したり、ブランドを代表する選手たちを起用した30秒コマーシャルも制作している。

さらには全米市長会と共に競技者人口の普及をすでに進めているMLBだが、この#CapsOnの取り組みでも200人ほどの市長をも巻き込んでいる。市長たちには好きなチームの帽子を被ってもらい、SNSでの露出を促した。アメリカらしいというか、押さえるべきところをしっかり抑えている。

そしてアメリカ合衆国の首都であるワシントンD.C.を本拠地とする球団では、開幕戦の始球式は現大統領が投げるという特別の儀式がこれまではあった。国のトップが現れる開幕戦とは、その意味合いの大きさを物語っていたが、残念ながら今シーズンはドナルド・トランプ大統領の日程が調整できず、この"伝統"は幕を閉じることとなった。

スプリングトレーニングで限られた枠を争う戦いに生き残り、その枠を勝ち取った選手たちが繰り広げるドラマを周囲も最高の形で演出する。非公式な祝日ではあるが、間違いなく野球人、そしてファンたちにとっても特別な日であることは間違いない。

プロ野球は一足先に開幕を迎えたが、Happy Opening Day! (開幕おめでとう)という言葉が球場で飛び交うメジャーリーグ開幕日も、もうまもなくだ。

記事提供:パ・リーグ インサイト 新川諒

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