前夜エースに勝利をプレゼントできず、優勝が完全消滅となった楽天と、前夜首位に立った北海道日本ハム。嫌な空気を払しょくしたい楽天は安樂投手、少しでも福岡ソフトバンクを突き放すためにも勝利がほしい北海道日本ハムは高梨投手に、それぞれ先発マウンドを託した。
初回、安樂投手はいきなり先頭の西川選手に左中間への二塁打を浴びるも、後続をねじ伏せて無失点。自身初の2桁勝利に王手をかけている高梨投手もいきなり2死1,3塁のピンチを招くが、新人王を争う楽天・茂木選手から空振り三振を奪い、ピンチを脱する。
序盤はスコアボードに0が並ぶ展開だったが、迎えた3回からは「動」の展開に。3回表、北海道日本ハムは近藤選手の適時二塁打、大谷選手の豪快な21号アーチで3点を奪取。続く中田選手が打ち上げた打球をサード・ウィーラー選手が追っていき、最後はスタンドに身を投げ出しながらのナイスキャッチ。危うくスタンドに落ちそうになったところを何とか持ちこたえ、スタンドのファンと北海道日本ハム・白井コーチによって「救出」されると、スタンドからは大きな拍手が送られる。
これで北海道日本ハムに傾いた流れが、楽天に向きを変える。3回裏、この回先頭の岡島選手が5号アーチを放つと、1死後にはペゲーロ選手が7号アーチで計2点を返し、すかさず1点差に迫る。
直後の4回、安樂投手は2死から連続四球を与えると、前の打席で適時二塁打を許した近藤選手にまたも適時二塁打を浴びて2点を追加されてしまう。しかし楽天はその裏、足立選手の適時打などで2点を返し、再び1点差。さらに6回には、大谷選手が「反応で打ちました。畳んでうまく打てたと思います」と振り返る、バックスクリーンへ本日2本目となる22号アーチを放って、リードは3点に広がる。
中盤にかけて点の取り合いとなったが、試合終盤は両チームブルペン陣が試合を引き締め、再び「静」の試合展開に。反撃を見せたい楽天も6回以降はわずか1安打のみに抑え込まれ、最終回は「守護神代理」吉川投手が走者を出しながらも0に封じて3点差のまま試合は終了。北海道日本ハムが2つの引き分けを挟んで3連勝となった。
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