待ちに待ったプロ野球の開幕。昨秋から5カ月ほど待ったファンの中には、共通してある傾向がみられることがある。
それは、昨年の成績はどうであれ、「今年はやってくれるのでは?少なくとも昨年よりはいいのでは?」と考えることである。
もちろん否定しているのではない。ファンなのだから当然である。
キャンプで抱き始めた淡い期待が、確固たる確信へと変わるのが「オープン戦」だ。昨季不振に苦しんだ選手やかわいいルーキーが活躍すると、なおさらその期待は高まってしまう。開幕が待ちきれなくて、いつもより1日が長く感じる日々が続く。なぜだろう。
プロ野球は勝負の世界だ。自分が期待した通りの成績を収めてくれる選手もいるが、残念ながらそうはいかない場合も多い。しかし、どうしても期待せずにはいられない。これまで降り積もっていたはずの不満や鬱憤なんて頭から吹っ飛んで、「早く開幕しないかな」と思う。
ファンとは健気なものである。はたして、野球が大好きだからこそ起こってしまうこの現象を、一体何と名付ければいいだろうか。
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