「勝利の方程式」に欠かせないホールド記録、歴代10傑
ホールドは救援投手としてマウンドに上がり、リードを保ったまま次の投手に引き継いだ時に与えられる記録だ。いわゆる中継ぎエース、セットアッパーの指標となる。
セーブはMLBで1973年に導入されたが、ホールドは1986年に考案された。しかしMLBでは、ホールドは正式記録にはなっていない。NPBではパ・リーグが1995年から記録をとり始めた。その後、一部ルールを修正して2005年から、両リーグの正式記録となった。
ホールドは両リーグで記録をスタートしてまだ13年しか経っていない若い記録だ。
以下はNPBのホールド歴代10傑。
1位・山口鉄也(巨)273ホールド
2位・宮西尚生(日)257ホールド
3位・浅尾拓也(中)200ホールド
4位・五十嵐亮太(ソ)157ホールド
5位・マシソン(巨)152ホールド
6位・ウィリアムス(神)141ホールド(引退)
7位・高橋聡文(神)139ホールド
7位・平野佳寿(オ)139ホールド(現Dバックス)
9位・森福允彦(巨)131ホールド
10位・増井浩俊(オ)129ホールド
6位のジェフ・ウィリアムス氏を除き、全員が現役。ホールドの記録もまだこれから大きく変動しそうだ。
ホールドを語る上では、中日・浅尾拓也投手を外すことはできない。浅尾投手は2010年に今もNPB記録のシーズン47ホールドを記録。翌2011年にも45ホールドを記録し、MVPに選ばれた。
救援投手と言えばクローザー、セーブばかりが注目されがちだが、浅尾投手はセットアッパーの重要性を身をもって示したともいえる。
ホールドはセーブと異なり、継投してリードを保てば、1試合で複数の投手につく。また後続の投手が打ち込まれてチームが負けてもホールドがつく。
しかしセットアッパーは、クローザーよりも登板数、投球回数が増えることが多く、イニングまたぎも多い。このために、消耗も激しく、ホールド数1位の山口鉄投手や浅尾投手も今は大きく数字を落としている。
巨人・山口鉄投手は9年連続60試合、北海道日本ハム・宮西投手はデビューから10年連続50試合
NPBでは200ホールドから50刻みで連盟表彰をしている。今季、連盟表彰を受ける可能性がある投手は以下。
〇300ホールド 過去なし※カッコ内は昨季の成績
山口鉄也(巨)273ホールド 残27ホールド(3ホールド)
宮西尚生(日)257ホールド 残43ホールド(25ホールド)
〇250ホールド 2人
浅尾拓也(中)200ホールド 残50ホールド(1ホールド)
〇200ホールド3人
五十嵐亮太(ソ)157ホールド 残43ホールド(11ホールド)
マシソン(巨)152ホールド 残48ホールド(27ホールド)
巨人の山口鉄投手は2016年まで9年連続で60試合以上登板し、ホールドを量産していたが、昨年は18試合の登板にとどまり3ホールド。北海道日本ハムの宮西投手はデビューから10年連続で50試合以上登板を継続中。今季中に宮西投手が山口鉄投手を逆転する可能性もあるだろう。
今のプロ野球では、セットアッパーからクローザーへとリードを保ったままマウンドを引き継ぐ「勝利の方程式」が非常に重要になっている。ホールドはまさに「勝利の方程式」には欠かせない数字なのだ。今季もホールドのランキングは大きく揺れ動くことだろう。
記事提供: