7日、「パーソル CS パ」ファーストステージ第3戦で、福岡ソフトバンクに敗れて楽天の2019年シーズンが終了した。奇しくも、前回Aクラスに入った2017年と同じ対戦相手、同じ場所での悔しい閉幕で、球団史上初のCSファーストステージでの敗退でもあった。
しかし、若き平石洋介監督のもと、昨季最下位からの逆襲に成功したことは確かだ。振り返れば長かったシーズンの中で、思い出深い名場面も数多くある。「パ・リーグインサイト」編集部はCS特別企画として、ファーストステージではるばるヤフオクドームに訪れた楽天ファンの皆さんにアンケートを実施。「2019年ベストゲーム」と「今季のMVP」を選んでもらい、多く挙げられたものをピックアップした。
<楽天ファンが選ぶベストゲーム>
【1】8月12日のオリックス戦(楽天生命パーク宮城)
【2】4月7日のオリックス戦(京セラドーム大阪)
【3】7月9日のオリックス戦(楽天生命パーク宮城)
これからのチームを担う若鷲が爪痕を残した日
【1】岸孝之投手が先発した8月12日のオリックス戦、楽天は序盤2回に先制を許して、追いかける展開に。5回にウィーラー選手の犠飛と銀次選手のタイムリーで勝ち越すものの、8回に森原康平投手が同点打を浴びてしまい、試合は振り出しに戻った。
しかし、延長10回、2死1塁で渡邊佳明選手がオリックス・ディクソン投手のナックルカーブを拾ってプロ初のサヨナラタイムリー。頼もしいルーキーの印象的な活躍で、チームは単独3位に浮上した。
あの「銀ちゃん」のレアなシーンはファンの印象にも残った
【2】4月7日、京セラドーム大阪で行われたオリックス戦は、延長12回にもつれ込んだ。まず2回、オリックスが西野真弘選手の1号ソロで幸先よく先制。4回にはセーフティスクイズと楽天のミス、タイムリーなどで5対0とし、点差をつけていった。
しかし、5回と7回に2点を返した楽天は、9回にオリックス抑えの増井浩俊投手を攻め立てた。3連打でさらに1点を返すと、浅村栄斗選手、島内宏明選手が連続タイムリー。土壇場で5対5の同点に追い付く驚異の粘りを見せた。
結果的に12回まで戦って決着つかず、規定により引き分けとなったものの、9回の守備では銀次選手がプロ入り初の捕手を務めるサプライズも。西浦颯大選手の盗塁を刺すなど、捕手登録選手顔負けの守備力を見せ付けた。
これぞ「エースの帰還」! 誰もが待っていた大きな1勝
【3】7月9日、楽天生命パーク宮城のオリックス戦で、エース・則本昂大投手がケガからの復帰登板を飾った。打線も2回、嶋基宏選手のタイムリーで早々に援護し、3回にはブラッシュ選手の3ランでリードを広げる。
4回にも1点を加えると、後押しを受けた則本投手は圧巻の投球。初回から最速151キロをマークした直球を軸に、6回3安打6奪三振、無失点の快投でそのまま快勝。待望の今季初白星を挙げるとともに、チームの連敗を10で止めた。「やはり則本昂投手がいなければ」と多くのファンが再確認した試合だったが、それだけ大きな存在を欠きながらもAクラスに食らい付いたチームの底力に、改めて頼もしさを覚えたファンも少なくないだろう。
今シーズンのMVPを聞くと、銀次選手、ブラッシュ選手、石橋良太投手、宋家豪投手、渡邊佳明選手と、割れる結果となった。シーズンは黒星で終わることになったものの、2017年に続いて強豪・福岡ソフトバンクを脅かしたこと、若鷲が優勝・Aクラス争い、負ければ終わりのポストシーズンを経験したことは、必ずや今後のチームの財産となるだろう。
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