マイナー相手の紅白戦に登板「スプリットを中心に投げようと思った」
エンゼルスの大谷翔平選手が24日(日本時間25日)、アリゾナ州テンピでのキャンプ打ち上げの総括会見を行った。
この日は開幕前最後の実戦登板となる紅白戦のマウンドに上がり、打者21人に85球を投げて、2安打2失点、5四球1死球5奪三振。
序盤は安定感を欠いたが、本人は宝刀スプリットの“テスト"と位置付けていたことを明かし、仕上がりに自信を浮かべていた。
マイナーの選手を相手にした最終調整試合。二刀流のスーパースターを目当てに集まったエンゼルスファンは、試合の序盤ではため息をもらしていた。3回まで5四死球。明らかに制球を乱していたが、そこには理由があった。
「今日はスプリットを中心に投げようと思った。序盤から多めに投げられてよかったと思います」
大谷選手はサバサバとした表情でこう語った。スプリットにこだわった結果、最終的には5四球。さらに、1死球に加えて他にも打者の体をかすめすようなボールもあったが、「どのカウントからもスプリットを投げていた。そうなるんじゃないかなというのはあった。どのカウントからも関係なくスプリットの確認をしながら進めることができたのはよかったんじゃないかと思います」。
荒れた投球も試合前から織り込み済みだったという。
キャンプは苦戦も焦りはなし「開幕で100だったことはないので」
2回には高いバウンドで三塁手の頭上を越える適時打を許したものの、「あれはスプリットです。いいところには行っているので、特に問題ない。初回よりも回を重ねたスプリットの方が落ちも良くて、(腕の)振りもよかった。今日でだいぶ進歩していたと思う」と次第に切れ味を増した宝刀に自信を浮かべていた。
「今日の試合は紅白戦だったので、通常の試合でできないことをやろうと思った。極端な話、3ボールからでもフォークを投げようと思った。今日はいい練習ができた」
キャンプ中の実戦では投打ともに苦しい成績となったが、その表情に暗さは全くない。「開幕で100(パーセント)だったことはないので。みんなそうじゃないかなと思いますが、シーズンの中でも成長できるように反省しながらやりたいです」。
本当の勝負はまだ始まっていない。悠然と語る二刀流右腕に焦る様子はなかった。
記事提供: