埼玉西武と福岡ソフトバンク、差はどこに? 得点力に圧倒的な違い、終盤は投手力も…

Full-Count

2019.9.25(水) 09:05

埼玉西武・辻監督(左)と福岡ソフトバンク・工藤監督※写真提供:Full-Count(写真:荒川祐史)
埼玉西武・辻監督(左)と福岡ソフトバンク・工藤監督※写真提供:Full-Count(写真:荒川祐史)

断トツ755得点の埼玉西武に対し、福岡ソフトバンクはリーグ4位の578得点

■埼玉西武 12-4 千葉ロッテ(24日・ZOZOマリン)

 埼玉西武が24日、2年連続23度目のリーグ優勝を決めた。優勝マジックを「2」として迎えた24日の千葉ロッテ戦(ZOZOマリン)に12-4で勝利。2位福岡ソフトバンクが楽天に敗れていたため、埼玉西武の21年ぶりの連覇が決定した。辻発彦監督は選手たちの手で10回、千葉の夜空に舞った。

 一方で、一時は首位を独走した福岡ソフトバンクは最大8.5ゲームあった差をひっくり返されて、2年連続のV逸が決まった。最後は敵地・楽天生命パーク宮城で楽天に敗れ、その後に埼玉西武の勝利が決まって、141試合目で力尽きることになった。

 埼玉西武と福岡ソフトバンクを分けた差はどこにあったのか。

 決定的だったのは、得点力の差だ。強力打線を誇る埼玉西武は今季も12球団で唯一の700得点を超え、755得点をマーク。チーム打率.266も12球団トップだが、作ったチャンスを着実に得点にする打線の繋がりが最大の持ち味だった。

 123打点の中村を筆頭に、120打点の山川、105打点の森、そして90打点の外崎と、パ・リーグの打点5傑のうち4人が埼玉西武勢。取れる時に、点を取るところが埼玉西武打線の強さだった。

 一方の福岡ソフトバンクは578得点と、埼玉西武と比べると、177得点少ない。これは千葉ロッテの642得点、楽天の607得点よりも少なくリーグ4位だった。182本のチーム本塁打は埼玉西武を上回りリーグトップだが、一発が大量点に繋がっていない現状が浮き彫りになった。

8月以降で言えば、実はチーム防御率も埼玉西武が上回っている

 デスパイネの36本塁打88打点がいずれもチームトップ。松田宣は30本塁打を放っているが、76打点。一時キューバ代表活動などで離脱期間のあったグラシアルも28本塁打で68打点。中軸として期待された内川は打率.257、41打点に終わった。チャンスでなかなか1本が出ない、シーズンを通じての課題は明確だった。

 埼玉西武は日没コールド勝ちした8月27日の北海道日本ハム戦以降の25試合を19勝6敗で乗り切ったが、福岡ソフトバンクは同時期に12勝10敗と失速した。夏場まで投手力を武器に白星を積み重ねてきた福岡ソフトバンクだったが、その投手力も終盤には陰りが見えた。8月のチーム防御率はともに4.35。実は9月に限れば、福岡ソフトバンクのチーム防御率3.50に対し、埼玉西武は3.10と埼玉西武の方が上回っている。

 埼玉西武は平井が81試合と驚異的な登板数を投げているが、50試合以上を投げている投手を見ると、平井に加えて増田、小川の3人。これに対し、福岡ソフトバンクは65試合の甲斐野に加え、モイネロ、森、嘉弥真、松田遼と5人。44試合の高橋純も、その43試合は5月24日に2度目の昇格を果たした以降に投げており、登板ペースは50試合を超える。甲斐野はルーキー、高橋純も実質1軍は1年目。未知の疲労は間違いなく溜まっていただろう。

 福岡ソフトバンクはシーズン序盤から怪我人続出にも苦しめられた。野手では柳田、中村晃、今宮らが、投手でも岩嵜や石川、バンデンハークらを長期間欠いた。一方の埼玉西武は投手では多和田や榎田を欠いたが、チームの根幹を成す打者に大きな怪我人がなかった。終盤、福岡ソフトバンクも戦力が復帰したが、柳田や中村晃はやはり本調子とは言えず。最後まで怪我がチームに影響を及ぼしていたといえる。

(Full-Count編集部)

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