苦しみ抜きようやく福岡ソフトバンクが灯したマジック「20」。3連覇へ一歩前進

パ・リーグ インサイト

2016.9.2(金) 00:00

ヤフオクドーム(C)PLM
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ようやく、その瞬間が訪れた。福岡ソフトバンクが2日、楽天を下し、2位の北海道日本ハムがオリックスに敗れたことで、今季初めて優勝マジック20が点灯した。決勝打を放った松田選手はヒーローインタビューで「今知ったので」と、インタビュアーからの質問で知り、驚きの表情を見せながら「一つずつ減らしていけるよう、チーム一丸となって頑張っていきたい」と闘志を燃やした。

勝つか引き分け、かつ、北海道日本ハムの敗戦で点灯するマジック。これまで何度もその状況が生まれていたが、決めきれずにいた。この日も、終盤に3点リードを追い付かれる嫌な展開。だが9回2死1,3塁だった。マウンドは楽天守護神の松井裕投手。打席には松田選手が入った。ともにチーム内でのニックネームは“マッチ”。そんな「マッチ対決」を制したのは松田選手だった。

松井裕投手も気合十分。力のある直球で追い込み、カウント2-2からチェンジアップで勝負を決めにいった。「松井君の落ちる球は良い。頭に入れながら、打てて良かった」と松田選手。ボール自体は理想のコースに行ったとみられるが、変化球を想定していた松田選手の読み勝ちだった。体全体を使ってすくい上げるようにはじき返すと、打球は右中間へ。2点適時三塁打となり、塁上で笑顔を爆発させた。

1日の試合で、チームの軸でもある柳田選手が守備の際に右手薬指を骨折。この日、登録抹消となった。6週間という全治を考えれば、レギュラーシーズンでの復帰は厳しい状況。「ギータが骨折して、悔しい思いは本人が一番あると思う。いるメンバーでやっていくしかない」と松田選手。昨季トリプルスリーを達成した男の抜けた穴は大きすぎるが、そのショックを感じさせまいと、ナインは勝利という形で気持ちを示した。

6月中のマジック点灯の可能性もあったほど、他チームを大きく引き離していた福岡ソフトバンク。だが、そこから北海道日本ハムが15連勝を記録するなど、夏場に猛烈な追い上げを見せた。その差は一気に縮まり、ついに首位の座も明け渡した。苦しみながら食らい付き、再び首位に返り咲き、ようやくのマジック点灯。3連覇という大きな目標に、一歩前進した。

とはいえ北海道日本ハムとのゲーム差は1.5。柳田選手を欠いて臨む残り試合は、簡単なものではないだろう。油断することなく、一歩一歩戦っていきたい。

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