コラスの加入時から通訳を務め、3年目になるゲレーロ通訳
■福岡ソフトバンク 5-4 埼玉西武(18日・ヤフオクドーム)
18日にヤフオクドームで行われた埼玉西武戦。逆転勝利を飾った福岡ソフトバンクでお立ち台に上がり、ヒーローインタビューを受けたのは明石健志内野手、そして、1軍初昇格のこの日、鮮烈なデビューを果たしたキューバ人のコラス外野手だった。
明石は7回、同点の適時二塁打を放った松田宣に続き、右翼線へ二塁打を放ち、これが逆転の適時打になった。一方のコラスは2回、プロ初打席で十亀の初球を捉えて右翼ホームランテラス席へソロ本塁打を放った。初打席で初球本塁打。プロ野球史上9人目となる偉業を果たした。
「1軍に上がって、1打席目で本塁打を打ててとても嬉しいです」。初めて4万人が見つめるお立ち台に立ったコラスはこう喜びを語った。もう1人、緊張の面持ちでコラスの隣に立ち、ファンの笑いを誘った男がいた。たどたどしい日本語で必死にコラスの言葉を訳す、通訳のウィルフィレーセル・ゲレーロさんだ。
予想だにしない“ナナメ上”の回答にスタンドのファンは笑いも…
ドミニカ共和国出身のゲレーロ通訳。母国にある広島の育成施設「カープアカデミー」でプレーし、2008年に長崎セインツ、2009年には四国ILの徳島に在籍。2010年から2年間は育成選手として広島でプレー。広島退団後は高知、愛媛にも所属し、2017年5月、コラスとモイネロの加入と共に福岡ソフトバンクの通訳となった。入団後は主に福岡・筑後市のファーム施設でコラスの通訳を務めてきた。18歳で異国の地に飛び込んできたコラスを、側で支えてきた存在だ。
この日のお立ち台。ゲレーロさんの通訳は、確かにたどたどしかった。終盤には、インタビュアーが「誰に報告したいですか?」と質問したにも関わらず、返ってきた答えは「日本に来て3年目になりました。日本の野球は違いますけど、日本に慣れてきました」というもの。予想だにしない“ナナメ上“の回答にスタンドのファンは笑いと、少々のざわめきに包まれた。
広島にはバティスタの通訳を務め、カタコトの日本語で一躍人気となったヘンディ・クレート氏がいるが、ゲレーロさんも“鷹の名物通訳“となりそうな強烈なインパクトを残した。初の大役を果たしたゲレーロ通訳は「すごく緊張しました」と、コラス以上に?安堵の表情を浮かべていた。
この日のヒーローインタビューでもお分かりのように、決して日本語は堪能とは言えない。ただ、そこは、ご愛嬌ということで。コラスの成長とともに、ゲレーロさんの通訳としての成長も、ファンの皆さんには温かく見守ってもらいたい。
記事提供: