北海道日本ハム・レアード選手の逆転満塁弾で試合がひっくり返った前夜。この日は埼玉西武・ウルフ投手が2010年から4年在籍した古巣相手に、移籍後一軍初登板を迎える。対する北海道日本ハムもデーゲームで福岡ソフトバンクが敗れているだけに、負けられない試合となった。
ウルフ投手は初回・2回をいずれも3者凡退に封じる上々の滑り出し。3回は得点圏に走者を置きながらも、陽選手を併殺打に仕留めてピンチを脱する。4回に田中賢選手に先制の適時打を許すが、後続を断って最少失点で踏みとどまる。
6回、先頭の陽選手の安打を皮切りに得点圏に走者を置くと、4番・中田選手が大振りすることなくセンターへはじき返すタイムリーで2点目。試合の主導権が北海道日本ハムの手元に渡る。
しかし6回裏、走者を二人置いた場面で、「まっすぐはないと思っていたのでフォークを待っていました」という埼玉西武・メヒア選手が、ライトスタンドへの30号3ランアーチ。ホームラン王を争うレアード選手の目の前で、レアード選手に並ぶ節目の一発を放ち、試合をひっくり返す。
7回から埼玉西武はウルフ投手に変えて、獅子奮迅の働きを続ける牧田投手を投入。テンポの早い投球で7回、8回をいずれも無失点に封じると、8回裏にメヒア選手がこの試合猛打賞となるタイムリーをレフト前に運び、点差を2点に広げる。
埼玉西武の流れになったが、最終回、埼玉西武の守護神・増田投手は中田選手に19号ソロを浴び、1点差。わずかなきっかけでさらに試合が潮目を変えかねない状況となる。しかしその後は3者連続空振り三振に封じ、ゲームセット。ウルフ投手が移籍後初白星を挙げた。
埼玉西武はこれで13勝9敗とし、8月月間勝ち越しを決めた。8月は1週目こそ1勝5敗と負け越したが、2週目は4勝2敗、3・4週目も4勝1敗と貯金を重ね、上昇ムードにある。とはいえ、まだ負け越しは13、クライマックスシリーズ進出圏内の3位までも9.5ゲーム差と、まだまだ厳しい道のりが待つ。「奇跡」を待つことなく起こすためにも、獅子たちは目の前の一試合一試合をしっかりとこなし、その先にあるものを待つ。
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