和田は7月20日の楽天戦以来、中23日で登板し5回5安打1失点で3勝目
■福岡ソフトバンク 6-3 北海道日本ハム(12日・ヤフオクドーム)
12日に行われた北海道日本ハム戦で、復帰戦を白星で飾った福岡ソフトバンクの和田毅投手。7月20日の楽天戦で右太もも裏を負傷し、その後、実戦での登板を経ずにほぼ“ぶっつけ本番”で復帰したにもかかわらず、5回5安打1失点と好投した。3連戦前に2位につけていた北海道日本ハムを相手に3連勝を決める見事な投球を見せた。
圧巻の立ち上がりで流れを引き寄せた。先頭の西川を3球三振に切ると、大田、近藤にはバットで空を切らせて三振。なんと衝撃の3者連続三振で立ち上がると、その裏に味方打線がいきなり3点を先制した。2回以降も走者こそ出せども、要所を締めた。5回に横尾にソロを浴びたが、失点はこの1点のみ。復帰戦ということで予定通りに5回で降板となったが、勝利を呼び寄せるピッチングだった。
「不安を感じている人もいると思ったので、全く問題ないというのを見せたいというのがあった」。圧巻の3連続三振を奪った初回をこう振り返った和田。この38歳のベテラン左腕の好投には、“ぶっつけ”で送り出した倉野信次投手コーチも驚きを持って見ていたという。
試合後、倉野コーチは左腕の投球を振り返り「久しぶりで、初回の3者連続三振を見て安心しました。ただ、ここまで良い投球をするとは……。予想以上に良かったです」とベタ褒めした。
異例の“調整登板なし”は「投げている姿は映像で見て、これだったら問題ないと判断」
7月20日の楽天戦で右太もも裏を負傷。「右半腱半膜様筋損傷」と診断され、リハビリ組へ。本来であれば、2軍での調整登板を経て復帰となるのが普通だが、今回の和田はファームのシート打撃に登板しただけ。中23日の間隔で、異例の“調整登板なし”で1軍に戻ってきた。
倉野コーチは、この異例の登板スケジュールについて「試合形式で投げて練習はしているし不安はなかった。投げている姿は映像で見て、これだったら問題ないと判断した。1軍を想定したピッチングが出来ていると感じていた」と語る。シート打撃で投げる姿を見て、調整登板の必要なし、と判断したという。
大事な直接対決だった北海道日本ハムとの3連戦。全幅の信頼を寄せる和田だからこそ、この大事な3戦目を任せた。「色々と話し合って、選択肢がある中で、間に合うと。和田がいけるならいかしたいと思っていた」と同コーチは言う。“ぶっつけ”で託した首脳陣、そしてそれに応えたベテラン和田。この1勝が、福岡ソフトバンクを2年ぶりのリーグ優勝に1歩近づけた。
(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)
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