広島育成、戦力外、独立L、NPB復帰…千葉ロッテ三家、8年がかりのプロ初安打

Full-Count 岩国誠

2019.7.4(木) 10:19

千葉ロッテ・三家和真※写真提供:Full-Count(写真:荒川祐史)
千葉ロッテ・三家和真※写真提供:Full-Count(写真:荒川祐史)

打席前に川越投手コーチとハイタッチ「『これで打てるぞ!』って言われて」

■千葉ロッテ 12-6 オリックス(3日・京セラドーム)

 千葉ロッテの三家和真外野手が3日、京セラドームで行われたオリックス戦でプロ初安打となる二塁打を放った。

 2011年育成ドラフト4位で広島に入団し、プロ野球の世界に入ってから8年。ようやく訪れた待望の瞬間だった。

 6回裏の守備から今季2度目の出場となった三家に9回1死で打席が回った。今季2打席目。プロ通算でも7打席目だ。マウンドにはオリックス4番手左腕・山田。右打席に入った三家は初球、真ん中高めのスライダーに思いっきりバットを振り抜くと、打球は左翼線を破りフェンスまで到達。スイングの勢いでスリップしてからの走塁だったが、俊足を飛ばして一気に二塁へ滑り込み、記念すべきプロ初安打を飾った。

 2011年にプロ野球の世界に入った三家だが、広島時代は支配下登録されることなく2年で戦力外通告。再びプロの舞台に立つべく、2014年には信濃グランセローズ、2015年と16年には石川ミリオンスターズと計3年間、独立リーグであるBCリーグで自らを磨き続け、2016年オフに千葉ロッテの入団テストに合格。プロの世界に戻ってきた。

「ちょっと野球をどうしようかなと思っている時もありましたけど、親を含めていろんな人に支えてもらいましたので、『本当にやるんだ』という気持ちもありましたし、トライアウトも受けましたし、独立リーグに入ってからでもっていう気持ちもあった中で、今となってはですが、そういう周りの人がいて、後押しをしてくれたっていうのが、パッと思い浮かぶことですね」

 ここまで自分を支えてくれた多くの人々への思いを試合後に改めて語った。

 いろいろな思いがあっての初安打となった三家だが、試合後のベンチ裏ではなぜか川越投手コーチに「俺のおかげだろ」と冗談交じりの笑顔で言われ、握手を交わす場面があった。初安打の打席前に、こんなやりとりがあったのだという。

「後ろで準備をしている時に声をかけられて『(井上と)ハイタッチしたら、昨日、晴哉がホームラン打ったんだよ。だからお前もハイタッチしとけよ!』って、言われたのでハイタッチしたんです。そしたら『これで打てるぞ!』って言われて」

 三家は「緊張がほぐれるとかはなかったんですが『頑張ってこいよ』って意味を込めてくれたんだと思う」と、担当の違う川越コーチからの思いにも改めて感謝していた。

 球団ホームページにある今季の目標に「初ヒットを含むキャリアハイ」と記した三家。一つの目標を超え、プロ生活での確かな一歩を記したこの日から、また新たな挑戦に向けて歩みを進める。

(岩国誠 / Makoto Iwakuni)

記事提供:Full-Count

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