甲斐のアウトコース要求にも「首を振ってインコース投げた」

7日の埼玉西武戦、福岡ソフトバンクの育成右腕・野澤佑斗投手が連投で結果を出した。2番手で登板し、1イニングを内野ゴロ3つの完全投球。押し出し四球を与えた前日の登板の反省を生かして、積極的にインコースを攻めた結果だ。

同点で迎えた5回表、野澤投手が2試合連続のマウンドに上がった。炭谷銀仁朗選手と金子侑司選手をショートゴロに打ち取ると、打席に秋山翔吾選手を迎えた。秋山選手は前日も2安打と四球、この日も安打と四球と、鷹投手陣を相手に5打席連続出塁中。右のサイドスローの野澤選手にとっては大きな試金石となる左の好打者だ。野澤選手はスライダーでカウントを1-1とすると、高めのシンカーでセカンドゴロに抑えた。

「ブルペンで高村(祐投手)コーチに『相手は調子がいいからインコースに投げてこい』と言われていた。右打者は100%抑えろと言われているが、(左打ちの)すごいバッターを抑えられたことは自信にもなる」

前日は2死満塁でマウンドに上がり、右の浅村栄斗選手に押し出し四球。「みんなに『なぜインコースに投げないんだ』と言われた」という。その反省もあって、この日は甲斐拓也選手のアウトコースのサインにも首を振るなど、インコース攻めにこだわって結果を出した。

野澤投手はユニークな言動でホークスの新たな“天然素材"として注目を浴びているが、目指すのは開幕前の支配下登録。この日の好投もあって、筑後、北九州、大分への遠征にも1軍として同行することになり「必死に食らいついていきたい」と語って筑後の選手寮へと帰っていった。