埼玉西武・菊池投手、志願のホークス戦先発だった 「少しでもいいイメージを、と」

Full-Count 福谷佑介

2018.3.7(水) 22:45

埼玉西武ライオンズ・菊池雄星投手(左)(C)パーソル パ・リーグTV
埼玉西武ライオンズ・菊池雄星投手(左)(C)パーソル パ・リーグTV

7日のオープン戦に先発して3回3安打1失点「凌いだな、と」

自ら志願して、この日の登板を選んだ。埼玉西武の菊池雄星投手。開幕投手に決まっている左腕は7日、敵地・ヤフオクドームで行われた福岡ソフトバンクとのオープン戦の先発マウンドに立った。

「志願して今日投げることにした。投げて良かった。去年2試合とも3回でやられているので、シーズンに入る前に少しでも良いイメージを、というのは強かったです」

ネガティブなイメージを払拭することが、最大の狙いだった。菊池投手は2010年のプロ入りからホークス戦は未勝利。17試合に投げ、0勝12敗という不名誉な記録が続いている、昨季ヤフオクドームでは、6月23日の試合で2回1/3で被安打7、被本塁打1、7失点でKOされ、雪辱を期した8月24日の試合では“2段モーション"の騒動もあって3回、被安打5、被本塁打2、7失点KO。昨季、最多勝と最優秀防御率に輝いた菊池投手が、5回をもたずに降板したのは、この2試合しかなかった。

少しでも良いイメージを持って、シーズンに臨むために自ら選んだヤフオクドームでの登板。初回、先頭の今宮選手に粘られて四球を与えると、川島選手の二ゴロで一塁・山川選手の足が捕球よりも一塁ベースから離れるのが早くなるミスで無死1,2塁とされた。中村晃選手に右前安打を許して満塁とピンチが拡大すると、柳田選手には押し出しの四球を与えて1点を失った。後続は打ち取り、最少失点で凌いだ。

精度向上を掲げるフォークを多投し「まだ精度は低い」

下位打線から始まった2回は3者凡退に切って取ると、3回も簡単に2死を奪った。その後は柳田選手に内野安打、松田選手に右前安打を許して1,2塁とされたものの、最後は吉村選手を空振り三振に切った。3回を投げて被安打3、1失点、4つの三振を奪って、この回で降板。「凌いだって感じですね。オープン戦といえども抑えたいというのはありましたし、相手もベストメンバーじゃないですけど、自分のやれることをやりたいと思っていた。綺麗にいったわけじゃないけど、いいボールが何球かあった。それをプラスにしていきたい」と振り返った。

この日の登板では、精度向上をテーマに掲げてきたフォークを多投した。70球を投げた中で、フォークは18球を数えた。初回、空振り三振を奪った上林選手には4球全てがフォークだった。次回登板からは開幕に向けて結果、内容も求めていかなければならない。自身が投げたいように投げられる最後の試合と考え、フォークを1つのテーマとした。

降板後は「1点とられて切り替えられたのは収穫。抜けたボールも多かったけど、内野ゴロや三振もフォークで取れた。引き続き練習していきたいと思います。まだまだ修正しないとなと思います。まだ精度は低い。自分の中でのフォークの位置付けをもっと高いものにしないといけない」と語った。

菊池投手だけでなく、埼玉西武にとってもヤフオクドームは鬼門だ。昨季は敵地で1勝11敗と10個の借金を作った。今季、リーグ優勝に近づくためには、菊池投手が福岡ソフトバンクへの苦手意識を払拭し、倒すことが必要不可欠である。新たな武器となるフォークを試しつつ、3回1失点にまとめたこの日の登板が、悪しき流れを覆すキッカケとなるだろうか。

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Full-Count 福谷佑介

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