菊池雄星との17年開幕戦以来800日ぶり対決で3打数2安打1打点
■エンゼルス 12-3 マリナーズ(日本時間9日・アナハイム)
エンゼルスの大谷翔平投手は8日(日本時間9日)、本拠地マリナーズ戦で「3番・指名打者」で5試合連続で先発出場した。4回の第3打席で花巻東高の先輩にあたる菊池雄星から左中間6号ソロを放つと、5回の第4打席で右中間適時二塁打。初回2死の二塁内野安打と合わせ、5打数3安打2打点で今季2度目の猛打賞をマークした。
メジャー初の“花巻東対決”で豪快な打撃を見せた。初回2死で快足を生かして二塁内野安打。3点先制の足がかりを作った。2回の第2打席では一ゴロに倒れたものの、4回無死の第3打席で圧巻のパワーを見せた。ラステラ、トラウトの連発で迎えた直後。初球の75.2マイル(約121キロ)のカーブをバットに乗せた。3試合ぶりの6号ソロ。中学時代に憧れた3学年上の先輩から日米通じて初アーチをかけた。今季初めて左腕から打った本塁打となった。
2人はNPB時代の2017年3月31日の開幕戦以来800日ぶりの対決。試合前まで、通算5打数2安打3三振だった。菊池が先発したT-モバイルパークでの5月30日(同31日)は大谷が欠場したため、対決は実現しなかったが、オースマス監督が「オオタニが勝つことを望む」と期待してのスタメン起用で結果を出した。MLBで日本人対決での本塁打は2009年7月8日に福留孝介(カブス)が川上憲伸(ブレーブス)から打って以来10年ぶり7度目。チームの3者連発はカルフーン、トラウト、プホルスが記録した2016年9月3日のマリナーズ戦以来3年ぶりだった。
チームは16安打の猛攻で12-3で大勝。試合後、大谷は地元放送局「FOXスポーツ・ウエスト」のヒーローインタビュー、日本のテレビインタビュー、米メディア、日本メディアと引っ張りだこだった。
【FOXスポーツ・ウエスト】
――花巻東の先輩、菊池雄星と米初対決で結果を出した。
「他の選手と違って、ちょっと自分の中でも特別な気持ちはありますし、いつもよりこう打ちたいなという気持ちも強く持って打席に立ったので。結果的にいい結果が出てよかったと思います」
――プレッシャーがかかる中で結果を出した。これはどんな意味を持つか。
「僕にとっても特別でしたし、いろんな人にとって楽しみにしていた人もいると思うので。まだまだもっと対戦もあると思うんですけど、もっともっと熱いゲームをできるように頑張りたいと思います」
――ラステラ、トラウトと3者連発だった。
「前の2人がプレッシャーをかけてくれたなと思っているので。その流れに乗って打ててよかったなと思います」
3学年上の先輩に抱く特別な思い「試合前から楽しみ」「今日が始まり。またの機械でしっかり打てるように」
【日本のテレビインタビュー】
――今日の打席を振り返って。
「全体的に良かったなと思うんですけど、最後の打席も外野フライを打てれば良かったんですけど、そういうところを1つ1つ確認しながら明日以降につなげたいなと思ってます」
――菊池との初対戦だった。
「試合前から楽しみにはしていたので、打った打たない関係なく、こういうところで対戦できるというのはすごく僕にとっても特別な感じがあったので、勝つことができてまずはよかったなと思ってます」
――ホームランの打席はどんな気持ちで打席に立ったか。
「どんな球でもしっかり振っていこうって思っていたので、甘い球が来てギリギリでしたけど入ってくれてよかったなと思います」
――これからも沢山の対戦がある。
「今日が始まりなので、まだまだ何回も対戦する機会があると思うので、またの機会でしっかり打てるように僕も準備したいなと思います」
ラステラ、トラウトと3者連発「いい結果に転ぶ方の確率が高くなる」
【日本メディア】
――今季2度目の3安打2打点3得点。大勝に貢献した。
「初回からうちのペースで試合を運べたので、そこは良かったかなと思います」
――ストライクゾーンを積極的に打っているように見えた。
「基本的に甘いボールは初球からいきたいなと思っていますし、最近際どいボールはどちらかというとストライク判定は多いので、しっかり甘く来たボールは打ちたいなと思います」
――6号ソロはラステラ、トラウトの2者連発の後で球場がどよめいていた。
「そんなに打ちやすいとか打ちにくいとかは特にないんですけど、会場は盛り上がっているので。そういう意味ではいい結果に転ぶ方の確率が高くなるんじゃないかなと思います」
――打った感触は。
「入るか入らないか、わからなかったですけど、1打席目より2打席目、3打席目を重ねる方がタイミングをよく取れているので、今後はもっとつながるかなと思います」
――菊池雄星との対決だった。意識したところはあったか。
「前回は対戦できなかったので、楽しみにはしてましたし、今後ももっともっと対戦する機会が同地区なのであるんじゃないかなと思うので。そこに向けて準備したいなと思っています」
――菊池は試合後、「悔しかった」と話していた。今後も他の投手と違う意識を持つか。
「特別な気持ちはもちろん何回やっても、同じく持つんじゃないかなと思いますけど、打席の中でやることは変わらないので。そこだけ集中して頑張りたいなと思います」
――安打はすべて違う球種、コースを打った。
「本塁打になっている打席はもちろんいいと思いますし、ヒットになっている打席は良し悪しは内容によって違ってくるので。僕自身は内容だけしっかり求めて、結果は後から付いてくると思ってやりたいなと思います」
――2者連続弾で初球から打ちたい気持ちはあったか。
「それはないですね。どの打席も基本的にどのカウントでも打てる球をしっかり打ちたいなと思っているので。『いい雰囲気になった』という意味では、初球に甘い球が来るのは必然的なものはあるかなと思います」
――大谷が中学時代から見てきた菊池から本塁打を打った。
「プロでも何回かやっているので。プロで初めての方がそういう気持ちはあったのかなと思いますけど、メジャーリーグでというのも、これは特別な物があるので。気持ちでは楽しみではあったかなと思います」
――菊池から初めて本塁打を打てた。
「僕よりも監督だったりとか、コーチの方が楽しみにしている部分もあったのかなと思うので。本塁打を打った、打たないとか、抑えた、抑えられなかったということではなくて、この舞台で対戦することができたのはすごく大きいんじゃないかなと思います」
菊池から打った本塁打球は花巻東に寄贈へ「母校にあげたい」
――菊池と対戦して、日本の時とは違う景色だったか。
「そんなに大きく投げ方が変わっているわけではないので。あんまり違いみたいなものは……。3打席でそんなに球も見ていないですけど、今後感じるところもあるかもしれないが、今日のところはないかなと思います」
――初回の初球は内角攻めだった。
「特にはないですね。首を振って変化球も投げてましたし。熱くなってストレートだけという感じでもないのかなと。そこの印象2、3打席目は割と冷静に、どの投手でも変わらずにいいタイミングでいけました」
――2、3打席もカーブだった。2打席目の一ゴロが3打席目の本塁打に生きたことはあるか。
「ありますね。ボールの球を一ゴロだったんですけど、あそこはヒットが欲しいところでしたし、しっかり得点したいところだったので。その中で軌道を確認できたのは良かったかなと思います」
――カーブを左中間へ持っていける技術をどう思うか。
「人それぞれバットの軌道も違いますし、どこに飛ぶか、どこに上げやすいかは違うと思うので。割といい方向に飛んでいる傾向はあるかなと思います」
――米国で野球をやってみたいと。特別な物はあるか。
「楽しみではあったのかなと思いますし、岩手県で野球をやっている子供たちも楽しみに見てくれたりするかもしれないので。そういう意味では良かったと思います」
――本塁打ボールは。
「一応、母校にあげたいと思います。監督もそうですし、はい」
――打球が上がるいいスイングをしている時は接点が多くなると話していた。
「左右によって軌道は違うが、その軌道に合わせにいくとブレてしまうので、それは自分の感覚というか。こういう感じでこう捉えに行っている時は、いい、悪いのはあるので。いつでも出していけるのは、シーズン長くやっていく上では大事かなと思います」
――軌道に合わせるのか。
「こういう風に飛んでいくんだろうなというのが大事かなと思います」
――対左投手から初本塁打だった。
「比較的、そんなに左右どっちが多いとかないので、どっちが来ても自分が変わらずにスイングができれば十分にいけるかなと思いますし、日本時代からそんなに左投手が嫌だということはないので。自分では変えることなく普通にいければいいんじゃないかなと思います」
6月は29打数8安打の打率.276、3本塁打、9打点と復調気配だ。9日(同10日、試合開始5時7分)のマリナーズ戦は元西武のルブランと対戦予定。2試合連続の豪快弾を期待したいところだ。
(Full-Count編集部)
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