【試合戦評】大記録は「セミ」に阻止された!? 白熱の投手戦の末に、千葉ロッテがカード初戦を制す

パ・リーグ インサイト

2016.8.12(金) 00:00

ZOZOマリンスタジアム(C)PLM
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直接対決でゲーム差8を一気に縮めるためにも3連勝を狙う3位・千葉ロッテが、首位・福岡ソフトバンクを迎えての3連戦初戦。千葉ロッテ・石川投手、福岡ソフトバンク・和田投手。リーグ最多勝を争う投手同士による投げ合いは、それぞれが持ち味を発揮する形での投手戦となった。

石川投手は序盤、制球がややばらついて四球で走者こそ許す。しかし投げ込むボールの勢いが福岡ソフトバンク打線を圧倒し、5回まで無安打投球を展開。スコアボードに0を刻み続ける。

一方の和田投手も、岡田選手に5回までに3安打を許した以外はほぼ完ぺきな投球を披露。絶妙な制球力を駆使して千葉ロッテ打線を封じ、味方の援護を待ち続ける。

迎えた6回表、福岡ソフトバンク・川島選手の打席で石川投手がマウンド上に転がるセミを拾ってもらうよう球審を呼び寄せる。このわずかな間が影響したのかは分からないが、直後に流れが変わりかける。川島選手の放った打球が高いバウンドとなり、三塁手・細谷選手が必死にさばく。しかし送球がそれ、スコアボードにはHのランプが点灯。大記録達成はここでお預けとなる。さらに続く中村晃選手にも安打を許し得点圏に走者を背負うピンチとなるが、後続を三振併殺に仕留めてピンチを凌ぐ。

すると6回裏、先頭の角中選手がストレートの四球を選んで1塁へ進み、続くデスパイネ選手が振り抜いた打球はバックスクリーン上部を直撃する特大の一発に。「真っ直ぐ待ちだったのでいいスイングができました」と語る会心の一撃で待望の先制点を奪う。さらに7回には先頭の田村選手がユニフォームが破けるほどの激しいヘッドスライディングで三塁打を勝ち取り、無死3塁と好機を演出。しかしここは和田投手が踏ん張りを見せて追加点は許さず、2点差のまま試合は最終盤へ。

8回は両チームともに無失点。9回のマウンドにも上がった石川投手は、福岡ソフトバンク打線を3人で封じ、ゲームセット。今季2度目の完封勝利を飾り、リーグトップタイの12勝目を挙げた。

この勝利で千葉ロッテは福岡ソフトバンクとのゲーム差を7に縮めた。決して小さな差ではないが、諦めるほどのゲーム差でもない。もし「ミラクルマリーンズ」がシーズン後に野球界を席巻していたのならば、そのきっかけとなったと言われる試合はこの日となるだろう。

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