2011、12年に2年連続で盗塁王を獲得した本多選手
こちらの競争も激しさを増す一方だ。2年連続で日本一を狙う福岡ソフトバンクで、固まっていないポジションの1つ、二塁手。その座を狙う選手たちが、熾烈なアピール合戦を展開している。
候補になるのは川島慶三選手、高田知季選手、西田哲朗選手、そして本多雄一選手。有力候補の1人であった明石健志選手が急性腰痛のために離脱し、シーズン開幕に間に合わせるのは厳しい見込み。残る4人の中で開幕1軍、そして開幕スタメンの座を掴むのは一体誰か。
6日に行われた埼玉西武とのオープン戦。強烈にその存在を印象付けたのは、33歳となった本多選手だった。
2005年の大学・社会人ドラフト5位で三菱重工名古屋から福岡ソフトバンクに入団。2010年、2011年には2年連続盗塁王に輝いた球界を代表する二塁手だ。だが、2014年から故障や、明石選手や川島選手とのポジション争いにより、出場機会が減り、昨季はわずか62試合の出場に終わっていた。
6日の埼玉西武戦では逆方向への一発を放ちアピール
定位置奪還を目指す今季。その埼玉西武戦では4回1死からの第2打席、埼玉西武の新外国人・カスティーヨ投手から本塁打を放った。カスティーヨ投手のストレートに力負けすることなく、逆方向の左翼ホームランテラス席へと放り込んだ。昨季0本塁打だった本多選手にとって、本拠地での本塁打は5年ぶりのことという。「手応えはありましたね。差し込まれた感じはなかった。振り抜こうと打席に入って、しっかり振り切れた。内容の部分でもよかったと思います」と振り返った。
今オフは昨季、中盤以降にスタミナ切れを起こした反省から、肉体強化と体重増加に取り組んだ。「筋力アップ、体重アップが結果につながっているかは分からない。ただ去年とは違う体になっている。ドッシリ感がある。守備でも、走塁でも」。昨季とは違った感覚を感じている。
3日のオープン戦初戦では川島選手が本塁打を放ち、高田選手、西田選手もコンスタントに安打を放っている。工藤公康監督は「みんな結果を出してくれているので、こちらも考えていかないと。まだまだオープン戦は続いていくので、いい緊張感をもってやっていってもらいたいと思います」と語り、ハイレベルな二塁手争いを歓迎する。
「結果が求められているし、内容にもこだわっていかないと。セカンドは5人いる。いいものは続けていきたい。競争は分かっている。残れるように、1日1日大事にしていきたい」と本多選手。かつて2度の盗塁王に輝いた33歳は、厳しい競争を勝ち抜くことが出来るだろうか。
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