異なる立場で、改めてそれぞれの居場所を勝ち取る。セからパの球団に移籍した“元巨人"の2選手

パ・リーグ インサイト

2018.3.5(月) 18:36

春季キャンプが終了し、各球団、練習試合、オープン戦といった実戦がスタートした。トレードやFAなどで新天地へ移籍した選手は、開幕一軍を目指しアピールする日々が続く。

セ・リーグの球団からパ・リーグの球団へ移籍した選手を見てみると、このオフは高木勇人投手(巨人→埼玉西武)、實松一成選手(巨人→北海道日本ハム)の2人がいる。

先発ローテ入りを目指す埼玉西武・高木投手

巨人へFA移籍した野上亮磨投手の人的補償選手として埼玉西武に入団した高木投手は、プロ1年目の2015年、3・4月に4勝0敗、防御率1.50の活躍を見せ月間MVPを受賞するなど、原辰徳監督(当時)が命名した『タカギボール』を武器に9勝を挙げた。

さらなる飛躍が期待された2年目の2016年は、先発ローテーション入りを果たすも、好不調の波が激しく、シーズン途中からリリーフを経験。同年は5勝9敗と負けが先行し、防御率も4.31に終わった。昨季は4月19日の東京ヤクルト戦で右手を負傷し故障離脱するなど、プロ入り後ワーストの1勝止まり。

そしてこのオフ、埼玉西武へ人的補償で移籍した。埼玉西武では先発ローテーションの一員として期待される高木投手。巨人時代は菅野智之投手、マイコラス投手、田口麗斗投手など先発陣の層が厚かったが、埼玉西武の先発陣は昨季最優秀防御率、最多勝の二冠に輝いたエース・菊池雄星投手を除くと、ほぼ横一線の状況だ。巨人時代よりもローテ入りする可能性は高そうだ。

12年ぶりに復帰した北海道日本ハム・實松選手

巨人から戦力外通告を受けた實松選手は、兼任コーチとして12年ぶりに古巣・北海道日本ハムに復帰した。

佐賀学園高校時代、高校屈指の捕手と呼ばれていた實松選手は、同学年の松坂大輔投手の外れ1位で1998年のドラフトで日本ハムに入団。プロ入り後は2年目の2000年に一軍デビューを果たすと、2001年に62試合、2002年は82試合と出場機会を増やしていく。しかし、以降は出場機会が減少。2006年のシーズン開幕前に巨人へトレード移籍した。

当時巨人の正捕手には、“打てる捕手"の阿部慎之助選手がいたこともあり、一軍での出場は限られたが、貴重な控え捕手として、阿部選手の故障や不在時にはマスクを被った。近年は小林誠司選手の台頭、2015年にFAで相川亮二選手が加入したこともあり、なかなか出場機会に恵まれず、昨季限りで戦力外となった。

12年ぶりに古巣のユニホームに袖を通す實松選手。選手だけでなく、兼任コーチとして清水優心選手、石川亮選手、郡拓也選手といった次世代の捕手たちの育成の役割も求められる。

パ・リーグの球団へ移籍した“元巨人"の高木投手、實松選手は新天地で輝きを放つことができるだろうか。

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