侍ジャパンでの躍動光る北海道日本ハム・松本剛選手
3日、4日に行われた「ENEOS 侍ジャパンシリーズ2018 日本vsオーストラリア」で2連勝を飾った野球日本代表「侍ジャパン」。
昨年11月に開催された「ENEOS アジア プロ野球チャンピオンシップ2017」(アジアCS)では原則として24歳以下もしくは入団3年目以内の若手選手を起用。今回が初めての“フルメンバー"で臨む大会だったが、その中でも“若手"の躍動が光った。その代表が第2戦に「2番・一塁」で先発した松本剛選手(北海道日本ハム)だった。
11月のアジアCSに続き、2度目の侍招集となった松本選手が、2安打3打点と結果を出した。4回1死1,2塁で立った第3打席にはセンターへ適時打を運び、6回1死3塁での第4打席には右翼へタイムリー。
チームの勝ちに直結する打席を喜ぶかと思われたが、試合後に松本選手自身が喜んだのは、初回の送りバントと2回の犠牲フライだった。
初回に先頭の秋山翔吾選手(埼玉西武)が左前打で出塁すると、続く松本選手は初球をきっちり投手前に転がし、送りバントを決めた。これをきっかけに侍ジャパンは1点先制に成功。
さらに、2回無死2,3塁で立った第2打席では、右翼への鋭いライナーとなったが、三塁走者だった今宮健太選手(福岡ソフトバンク)が本塁へ滑り込み、稲葉監督の“初リクエスト"で3点目が認められた。
稲葉ジャパンの“穴"を埋める貴重な戦力
「2番として使っていただけたので、自分としては初回のバント。あそこを一発で決められたのは、僕にとっての武器でもありますし、僕はそういうところで勝負していかないといけないと思っているので、そういう意味ではあの1打席目。あと2打席目の(犠飛)、ちょっと浅かったですけど、今宮さんがいい走塁をして下さって打点につながったあの打席がよかったかなと思っています」
以前、稲葉監督は全チームの主軸を集めるのではなく、チームとして打線を機能させるために「つなぎ」の役割が果たせる選手を適材適所で招集する意向を示していた。この日、6回に一塁から左翼へ守備位置を変える器用さも兼ね合わせる松本選手は、文字通り、稲葉ジャパンの“穴"を埋める貴重な戦力だ。
「周りは素晴らしい方々で、前後を打つ選手は日本を代表する選手だったので、なんとか打線の1人としてできれば、という思いで今日一日できた。またシーズンに戻っても、自分の立場をしっかりわきまえて、そういう仕事ができればと思います」
秋山選手や筒香選手ら“常連組"を「正直ファン目線で見てしまった」という松本選手だが、次回の招集までにどんな成長を遂げるかが楽しみな存在だ。
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