負けられない試合で、さすがの存在感を放った。北海道日本ハム・大谷選手が6日、2本塁打4打点の大活躍で福岡ソフトバンクに快勝。敗戦か引き分けであれば、福岡ソフトバンクにマジックが点灯するという状況で、二刀流がバットで貢献した。
3回無死1塁、相手先発・千賀投手の3球目を左翼席へ放り込んだ。直前の中島卓選手が13球粘った末に四球で出塁したことも大きかった。「粘ってくれて、後ろでいっぱい見られましたし、何とか食らい付いていこうと思いました。入ってくれて良かった」。リードを3点に広げる第15号2ラン。1塁ベースを蹴ると、手を挙げて喜びを表現した。
だが、相手は福岡ソフトバンク。3点では安心できない状況で、北海道日本ハム打線の攻めが止まらなかった。6回2死1,2塁、大野選手が左翼へ2点適時二塁打。開幕から8勝負け無しできていた千賀投手から5得点をたたき出した。
そして7回だ。1死2塁、2番手の嘉弥真投手の2球目。すくい上げるようにして振り抜くと、ボールはバックスクリーンに一直線。勝利を決定付ける2ラン。「すごくいい打撃ができたかなと思います」と自画自賛の16号だった。
球宴前の7月中旬に右手中指のマメをつぶし、その影響で後半戦はまだ先発のマウンドに立てていない大谷選手。これまで日曜日の登板が多かった右腕だが、7日も打者に専念することが濃厚だ。今季16本の本塁打のうち、8本を福岡ソフトバンク相手に放っている大谷選手。すでに投手としても超一流の実力を発揮しているが、福岡ソフトバンクからみれば、打者・大谷も脅威の存在といえるだろう。
これでゲーム差を再び5に戻した北海道日本ハム。マジック点灯を阻止し、大事な3連戦の勝ち越しを7日にかけることになる。「高梨さんがいい投球をしていたので、何とか勝ちたかった。明日につなげることができて良かった。明日が大事だと思うので、何とか必死に取りにいきたい」。依然として福岡ソフトバンクの優位は揺るがないが、6,7月に球団新の15連勝を記録した爆発力が北海道日本ハムにはある。奇跡の大逆転のためにも、負けられない一戦。大谷選手の打撃に、大きな期待がかかる。
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