パ・リーグの福岡ソフトバンクと北海道日本ハムは対極も…多くの好選手を育成
2018年2月時点で、NPBに登録された選手は905人(うち育成107人)だ。その内訳を見ていくと、各球団の補強の方針が見えてくる。
特に育成選手に注目しながら、球団別に選手の陣容を見ていこう。
パ・リーグ455人(うち育成54人)
◯福岡ソフトバンク 92人
▽支配下 67人
投手31人捕手6人内野手18人外野手12人
▽育成 25人
投手13人捕手2人内野手4人外野手6人
◯埼玉西武 68人
▽支配下 66人
投手36人捕手6人内野手13人外野手11人
▽育成 2人
捕手1人外野手1人
◯楽天 81人
▽支配下 67人
投手33人捕手8人内野手13人外野手13人
▽育成 14人
投手8人内野手5人外野手1人
◯オリックス75人
▽支配下 65人
投手33人捕手6人内野手15人外野手11人
▽育成 10人
投手4人捕手2人内野手3人外野手1人
◯北海道日本ハム 69人
▽支配下 69人
投手33人捕手9人内野手17人外野手10人
▽育成 0人
なし
◯千葉ロッテ 70人
▽支配下 67人
投手35人捕手6人内野手16人外野手10人
▽育成 3人
投手2人外野手1人
NPBの支配下選手には70人という定員がある。それ以上の選手を抱える場合は、育成枠で登録する必要がある。育成枠には定員はない。
福岡ソフトバンクは、巨人と並ぶ最多の25人の育成選手を登録している。育成選手を中心に3軍を構成し、年間80試合前後を消化。この層の厚い人材から、実力派選手が次々現れている。今年の開幕投手に内定した千賀滉大投手や、昨年の正捕手・甲斐拓也選手も育成上がりだ。
反対に北海道日本ハムは、これまで一度も育成選手を取っていない。70人の枠の中で選手を育成している。少数精鋭だが、そのなかからダルビッシュ有投手、中田翔選手、西川遥輝選手、大谷翔平選手などのNPBを代表する選手を輩出している。福岡ソフトバンクとは対極だが、これも選手育成の考え方だと言えよう。
それ以外の4球団は育成選手を数人から十数人取っている。育成枠の選手には、育成ドラフトで獲得した選手のほか、70人の支配下枠に余裕を作るために、成績不振の選手、故障などで回復に時間がかかる選手などと育成枠で再契約したケースもある。そういう選手にしてみれば、復活のチャンスをもらったということになる。また若い外国人選手と育成契約するケースもある。
育成枠選手は2軍戦には出場できるが、1軍戦には支配下枠に登録されないと出場できない。また背番号は3桁になる。育成選手は、厳しい状況から這い上がらなければならない。
セ・リーグで最多の25人の育成選手を持つ巨人だが…
セ・リーグ450人(うち育成53人)
◯広島71人
▽支配下 67人
投手34人捕手7人内野手14人外野手12人
▽育成 4人
投手3人内野手1人
◯阪神70人
▽支配下 67人
投手35人捕手7人内野手15人外野手10人
▽育成 3人
投手2人外野手1人
◯横浜DeNA73人
▽支配下 67人
投手33人捕手5人内野手18人外野手11人
▽育成 6人
投手3人捕手1人内野手2人
◯巨人89人
▽支配下 64人
投手30人捕手6人内野手16人外野手12人
▽育成 25人
投手13人捕手3人内野手4人外野手5人
◯中日77人
▽支配下 66人
投手31人捕手7人内野手16人外野手12人
▽育成 11人
投手10人外野手1人
◯東京ヤクルト70人
▽支配下 66人
投手34人捕手6人内野手16人外野手10人
▽育成 4人
投手3人捕手1人
セ・リーグでは巨人が福岡ソフトバンクと並ぶ25人の育成選手を保有している。巨人は2015年に育成選手を中心とした3軍を編成した。巨人3軍は昨年は108試合もの試合を消化した。巨人育成からは過去に山口鉄也投手、昨年限りで引退した松本哲也選手のように一線級の選手も輩出しているが、最近はそういう選手が少ない。
他の5球団は福岡ソフトバンク、北海道日本ハムを除くパの4球団同様、70人の支配下枠に余裕を持たせるために育成枠を使っている。なかでも中日は育成枠の投手を増やした。選手層を厚くして、投手陣の強化に役立てようという意向が見て取れる。
プロ野球で規定打席に達するのは年間25人前後、規定投球回数は15人前後、一線級の救援投手も15人前後。両リーグ合わせても一線級の選手は110人ほどだ。このポジションを905人で争う。厳しい競争社会であることを改めて思い知らされる。107人の育成選手の奮起も期待したい。
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