8回4失点の力投も今季初勝利には届かず、本人は「2回の失点したところだけ」
■北海道日本ハム 4-1 千葉ロッテ(5日・ZOZOマリン)
千葉ロッテ・石川歩投手が、5日の北海道日本ハム戦で今季5試合目の先発登板。今季最長となる8回118球を投げるも打線の援護なく、初勝利には届かなかった。
いまだ今季未勝利の千葉ロッテ開幕投手・石川。初回はこの日の最速150キロの速球を中心に、北海道日本ハム打線を無失点で抑える上々の立ち上がりを見せる。しかし2回。先頭打者の5番・田中に初球144キロを中前に運ばれると、続く渡邉には追い込んでからのシンカーが真ん中に入り連打を許す。7番・平沼の犠打は捕手の田村が三塁封殺を狙ったが実らず、犠打野選で無死満塁のピンチを招いた。
8番・中島を内角の直球で空振り三振に切って取り1アウト。9番・清水は併殺網にかけるべく、狙い通り低めの変化球を引っかけさせたが、打球は高く弾み併殺はとれず1点を失うと、続く1番・西川には2ボールと打者有利なカウントから投じた外角のツーシームを捉えられ、左越えの2点適時二塁打で一気に3失点。「2回の失点したところだけですね」と、先制を許したこの回の投球を悔やんだ。
しかし、3回以降は6回まで北海道日本ハム打線を1安打に抑える好投。打線の援護なく、今季初勝利はまたもお預けとなったが「あそこ(2回)以外は良かったと思う」と、今季最長の8回118球で4失点だったこの日の投球を振り返った。
今季の石川は、ここまで4試合で球数は開幕戦の106球、イニングは4月21日の北海道日本ハム戦の6回(87球2失点)が最長だった。この日は、4点目を与えた7回終了時点で101球。腰痛から復帰の過程を踏んでいる中での投球ということもあり、7回終了での降板かとも思われたが、8回も続投し球数も今季最多の118球を投げることとなった。これには千葉ロッテベンチの明確な意図があった。
吉井投手コーチが明かした8回続投の「一番の目的」
「石川は130球近くまで投げられるピッチャー。どこかで100球超えをしておかないといけないので、今日は行けるところまでということだった。結果的には中継ぎを休ませるということにもなったが、『石川がビルドアップしていくために、球数を投げてほしい』というのが、8回も行かせた一番の目的です」
今季、千葉ロッテ投手陣を預かる吉井理人投手コーチはその意図を語った。
4月16日に完封勝利(9回114球)を飾った涌井が5月1日の登板で7回116球、翌2日の先発・岩下が7回99球、さらに4日のボルシンガーも6回113球と先発投手陣の投球イニングが長くなってきている。
「4月は80~90球くらいと思っていて、それが終わって100球超えと思っていた。各投手がその前にノックアウトされることが多く、本当はもう少し早くにとは思っていたけど、ようやく80球くらいまでは自分の球をしっかり投げられるようになってきた。それにイニング数がついてきている」
現在の先発投手陣の状態から、投球イニングが伸びてきていることはあくまで副産物であるとの認識だ。
吉井コーチが言うように「ゲームは生き物」だが、リリーフ陣の役割が明確になり、先発陣も徐々に形になりつつある千葉ロッテ投手陣が「マウエ↑」へ向けてこのまま突き抜けられるか。引き続き注目だ。
(岩国誠 / Makoto Iwakuni)
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