“捕手難”直面した王者ホークス 大チャンス到来の20歳は何を思うのか

Full-Count 福谷佑介

2018.2.27(火) 21:50

福岡ソフトバンクホークス・谷川原健太選手(C)Full-Count
福岡ソフトバンクホークス・谷川原健太選手(C)Full-Count

高谷が右肘関節炎、栗原が左肩脱臼で離脱、ともに開幕は絶望的

キャンプ終盤にきて、緊急事態である。2年連続日本一を狙う福岡ソフトバンク。扇の要であるキャッチャーに相次ぐ負傷者が出て“捕手不足"の危機に陥っている。

20日。右肘の異変を訴えていた高谷裕亮捕手が19日に福岡市内の病院で検査を受け、その診断結果が「右肘関節炎」だったと発表された。さらにその後、練習試合後の特守を行なっていた栗原陵矢捕手が左肩を負傷。左肩関節前方脱臼と診断され、離脱することになった。

高谷選手は右肘の関節内に遊離軟骨があり、それを除去する手術を27日に受けた。全治までは3か月を要する見込みだ。さらに栗原選手も手術となれば、全治6か月ほど、再発のリスクが残る保存療法でも復帰までは3か月前後となるという。いずれにしても、開幕の時点では、2人の捕手を欠くことになる。

チームにとっては窮地であることは間違いない。ただ、裏を返せば、他の捕手にとっては、この上ないチャンスである。正捕手候補である甲斐拓也選手にとっては、完全に1本立ちする好機であり、他の若い捕手にとっては経験を積み、アピール出来れば、そのまま1軍の座をつかむことができるかもしれない。

紅白戦2試合はともに安打を放ち、26日のB組練習試合でも2安打

その座を伺う1人が、3年目を迎える谷川原健太捕手である。2015年のドラフト3位で豊橋中央高から福岡ソフトバンクに入団。高校通算41本塁打を放っている打力が持ち味の“打てる捕手"の候補である。2人の負傷に伴い、A組に合流。キャンプインからA組にいる九鬼隆平捕手、そして一緒に1軍に合流した育成の堀内汰門捕手と競争の日々を送っている。

A組で参加した紅白戦2試合ではいずれも安打を放ち、持ち味の打力をアピール。26日に行われたB組の楽天との練習試合にも参加し、きっちりと2安打を放った。「思っていたよりも(A組の)ボールには対応出来ています。自信がついてきてる部分はあります。今日(26日)は、バッティングのほうは良かったですけど、点を取られてしまっているので。ゼロで抑えられるように投手をリードするのがキャッチャーの仕事なので」。キャッチング面やリードなど、守備面ではやはり多くの課題を残しているが、そこは経験がモノを言う部分でもある。

仲間の負傷という素直には喜べない事態で、いきなり転がり込んできたビッグチャンス。20歳は今、どうこのチャンスを捉えているのか。「こんなチャンスはもうないと思う。この最大のチャンスをモノに出来るように、と思っています。これをモノに出来なきゃダメだ、くらいの気持ちでいます」と力強く語った。

「バッティングは武器なので、そこは伸ばしていきたい。守備はもっと上手くならないといけない。キャッチャーは守れないとダメなので、守備はレベルアップしないといけないですね」という谷川原選手。開幕までのあと1か月ほどで、どれだけ成長し、アピール出来るかが、今後の運命を大きく左右することになるかもしれない。

記事提供:

Full-Count 福谷佑介

この記事をシェア

  • X
  • Facebook
  • LINE