勝利は吉兆にあらず?楽天とオリックスをAクラスに導く「負けスタート」
「開幕戦勝利」の見出しが躍れば、好スタートを切っている印象を受ける。確かにスタートから勢いに乗ることができればそれに越したことはない。ところが、楽天とオリックスの2チームに関しては、どうもそうはいかないようだ。
この10年で、両チームがAクラスに進出した年(楽天:2009、13、17年、オリックス:2008、14年)の「オープン戦初戦」の結果を見ると、以下のようになっている。
【楽天】
2009年2月28日:楽天1‐9千葉ロッテ●
2013年2月23日:楽天3‐4東京ヤクルト●
2017年3月4日:楽天3‐9横浜DeNA●
【オリックス】
2008年2月23日:オリックス3‐5阪神●
2014年2月16日:オリックス4‐7千葉ロッテ●
両チームとも、ここ10年でAクラスに進出したシーズンは、いずれも初戦に敗れている。接戦もあれば大差での負けもあり、ファンの中には落胆した人もいたかもしれない。だが、終わりよければすべてよし、と言わんばかりにチームは躍進を見せてきたことが分かる。
王者・福岡ソフトバンクの牙城を崩すカギはオープン戦初戦
ここ5年で3回の日本一に輝くなど、強豪チームとして絶対的な存在感を示す福岡ソフトバンク。しかし、そんなチームでも10年間で2回のBクラス(2008年、13年)を経験している。そして、その年の「オープン戦初戦」結果は以下の通り。
2008年2月23日:福岡ソフトバンク1‐4広島●
2013年2月23日:福岡ソフトバンク2‐10埼玉西武●
先に述べた2チームとは異なり、Bクラスとなった2シーズンともに、福岡ソフトバンクはオープン戦初戦に敗れている。反対にそれ以外のシーズンはオープン戦初戦から強さを見せ付けており(6勝3敗1分)、その牙城を崩すには、開幕前から気が抜けない。
今回は、オープン戦初戦に注目していくつかの「ジンクス」ともいえるデータを紹介した。あくまで、この10年の勝敗とシーズン成績を結び付けたものであり、100パーセント信頼に足るようなものではない。
しかし、オープン戦初戦からシーズンと同じように熱を持って試合を見ることができれば、より充実したシーズンを送れるはずだ。ここで紹介したデータを頭の片隅に置いて、いつもよりひと月ほど早い「開幕」を迎えてみるのも、悪くないのではないだろうか。
各チームのオープン戦初戦
北海道日本ハム…2月24日、対中日(北谷)
楽天…2月24日、対広島(沖縄)
埼玉西武…3月3日、対広島(佐賀)
千葉ロッテ…3月3日、対北海道日本ハム(札幌ドーム)
オリックス…3月3日、対横浜DeNA(京セラドーム大阪)
福岡ソフトバンク…3月3日、対阪神(ヤフオクドーム)
いよいよ幕を開けるオープン戦。ここからの約1カ月で、各チーム・選手は実戦感覚を取り戻す。もちろん、昨年首位を独走した千葉ロッテがシーズンでは最下位に終わったように、オープン戦の結果は必ずしもペナントレースの結果に反映されるわけではない。
しかし今回は、ここ10年における各チームの「オープン戦初戦」における成績から見えてきた、いくつかのデータを紹介していきたい。
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