【試合戦評】首位攻防第1ラウンドから熱戦の展開も、鷹が首位の意地を見せる。

パ・リーグ インサイト

2016.7.29(金) 00:00

その差4ゲーム――。今日から札幌ドームで行われる2位・北海道日本ハムと首位・福岡ソフトバンクの首位攻防戦。北海道日本ハムとしてはその差を少しでも縮め、福岡ソフトバンクとしては逆に突き放しておきたい大事なカードとなる。その初戦、両チームの先発は北海道日本ハム・有原航平投手、福岡ソフトバンク・和田毅投手と、ともに早稲田大学で「エース」の座にあった投手同士のマッチアップとなった。

有原投手は150キロ前後の力強い直球を軸に、カットボール、フォークなどを織り交ぜる投球。初回から2三振を奪うなど3人で終える上々の立ち上がりを見せると、2回、3回も福岡ソフトバンク打線に安打を許さず。吉井投手コーチも「ゴロでアウトを取る持ち味のピッチングができている。変化球を低く集められているし、まっすぐも力強い」と語る出来を披露する。

対する和田投手は序盤、制球がややばらつくものの、投球術で北海道日本ハム打線に的を絞らせず。大学の後輩に負けじと1回、2回ともに無失点に抑える。

しかし3回裏、和田投手は下位打線に連続四球を与えると、2番・田中賢選手が和田投手のやや高めに浮いた外角のストレートをセンターへ運ぶ先制のタイムリーを記録。「今日の先発は有原で先に点を入れることが重要だっただけに、しっかりと先制できてよかったです」という一打で北海道日本ハムが1点を先取する。

さらに4回裏、5番・指名打者で出場の大谷翔平選手が「感触もよかったし、完ぺきでした」と振り返るレフトへの今季第12号アーチ。自己最多を更新する逆方向への一発でリードは2点に。このまま北海道日本ハムが試合を優位に進めていくかに思われた。

しかし、福岡ソフトバンクは5回、反撃に転じる。有原投手から松田宣浩選手がチーム初安打を放ち、その後3塁まで進むと、初回に守備で好守を見せた吉村裕基選手がタイムリーを放ち1点をかえす。直後の5回裏を和田投手が2者連続三振など3人で封じると、勢いを得た福岡ソフトバンクは6回表に無死1,3塁から「気持ちで行きました!」という柳田悠岐選手の同点打、松田選手の犠飛、長谷川勇也選手のタイムリーで計3点を奪い、4対2と逆転に成功する。

試合をひっくり返してもらった和田投手は6回、7回ともに無失点に抑えて試合の流れを引き寄せると、8回には柳田選手がセンターへ運ぶ特大の12号ソロアーチを放ち、加点する。

そのまま福岡ソフトバンクが逃げ切る展開になりかけたが、北海道日本ハムが底力を発揮。8回裏に1点をかえし、その後9回表に再び1点を失うも、9回裏に福岡ソフトバンク守護神・サファテ投手から先頭の大谷選手が猛打賞となる3ベースヒットで出塁し、続くレアード選手のセンターオーバーのタイムリーで1点をかえして6対4。2点差に迫る。なおも走者を3塁に置くなどして追いすがったが、最後はサファテ投手が力強いストレートで西川選手をねじ伏せて試合終了。首位攻防第1ラウンドは、首位の意地が勝り福岡ソフトバンクが勝利した。

なおこの日の試合、大谷選手は5番・指名打者でスタメン出場したが、今年は基本的に投手として先発する際は前々日から試合出場を控える形だった。前回7月24日、中継ぎとして1イニング登板した時と同じように、前々日の野手出場。順番通りにいくと先発が予想されていた明後日31日の登板はどうなるのか、こちらも注目される。

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