テスト生として千葉ロッテキャンプに参加していたフランシスコ・ペゲロ外野手(前・富山GRNサンダーバーズ)、李杜軒内野手(前・福岡ソフトバンク)、そして、大隣憲司投手(前・福岡ソフトバンク)の3人が、2月16日、チームに正式に入団することが決まった。
ドミニカ生まれの大砲・ペゲロ選手と、日本球界をよく知る李杜軒選手
ペゲロ選手は、ドミニカ共和国出身の29歳で、2006年から9年間ジャイアンツに在籍。BCリーグ・富山GRNサンダーバーズでプレーした昨年は、115安打20本塁打52打点、打率.387という成績を残していた。キャンプ中の紅白戦では、自慢の長打力も見せている。
李杜軒選手は、台湾出身の29歳。岡山共生高校を卒業後、2006年の高校生ドラフトで福岡ソフトバンクに4位指名を受ける。2016年に戦力外となり、日本球界復帰の道を模索していた。福岡ソフトバンクでの一軍通算成績は63試合25安打4本塁打、打率.253。
難病から「復帰」した大隣投手。2014年ポストシーズンの大活躍は記憶に新しい
そして大隣憲司投手は、京都府出身の33歳。2006年にドラフト希望枠で福岡ソフトバンクに入団し、2年目に先発ローテーションの座を勝ち取って11勝を挙げると、2012年には12勝をマーク。高い奪三振能力が持ち味の、左の速球派投手として鳴らした。
2013年、国指定の難病である「黄色靱帯骨化症」を発症。球速が落ち、スタイルチェンジを余儀なくされる。
しかし翌年7月に復帰すると、リーグ優勝を懸けたオリックスとの「10・2決戦」で先発を託されて6回無失点。チームの劇的な優勝に貢献し、さらにクライマックスシリーズ、日本シリーズ全てで結果を出した。日本一決定後は、監督と選手会長に続いて宙を舞っている。
この春再起を懸けた選手たち。ここからが新たなスタート
ただ大隣投手は、近年は故障や若手の台頭もあって出番が激減。2016年から昨年までは1試合ずつの登板に終わり、昨オフ、戦力外通告を受けるに至った。
自由契約となった後は、現役続行を希望して合同トライアウトを受験し、打者4人に対し1安打2三振と力投。すると、井口監督のもとで生まれ変わろうとしている千葉ロッテから声がかかり、石垣島の春季キャンプにテスト生として参加することに。
そして打撃投手や紅白戦での登板で存在感を発揮し、2月16日、ペゲロ選手、李杜軒選手とともに正式に千葉ロッテへの入団が決定した。大隣投手は「感謝の一言。チームのため、精一杯頑張ります」「ただこれはスタートライン。これからが本当の勝負です。1勝でも多くして、チームに貢献をして優勝を目指していきたいです」と笑顔を見せた。
それぞれの困難を乗り越え、あるいはわずかなチャンスを逃さずつかんだ3選手。彼らが新天地で輝く姿に期待したい。
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